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Profile | プロフィール

まるわか・ひろとし/株式会社丸若屋代表取締役、プロダクトプロデューサー、プロジェクトプランナー
アパレル勤務などを経て、2010年に株式会社丸若屋を設立。伝統工芸から最先端の工業技術まで今ある姿に時代の空気を取り入れて再構築、視点を変えた新たな提案を得意とする。2014年、パリのサンジェルマンにギャラリーショップ「NAKANIWA」をオープン、日本の手仕事の魅力を発信している。

株式会社丸若屋公式HP
「Fresh Faces -アタラシイヒト-」出演
KLM航空トラベラーズムービー出演

アパレル勤務などを経て、2010年に株式会社丸若屋を設立。伝統工芸から最先端の工業技術まで今ある姿に時代の空気を取り入れて再構築、視点を変えた新たな提案を得意とする。14年、パリのサンジェルマンにギャラリーショップ『NAKANIWA』をオープン、日本の手仕事の魅力を発信している。

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まるわか・ひろとし/株式会社丸若屋代表取締役、プロダクトプロデューサー、プロジェクトプランナー
アパレル勤務などを経て、2010年に株式会社丸若屋を設立。伝統工芸から最先端の工業技術まで今ある姿に時代の空気を取り入れて再構築、視点を変えた新たな提案を得意とする。2014年、パリのサンジェルマンにギャラリーショップ「NAKANIWA」をオープン、日本の手仕事の魅力を発信している。

株式会社丸若屋公式HP
「Fresh Faces -アタラシイヒト-」出演
KLM航空トラベラーズムービー出演

アパレル勤務などを経て、2010年に株式会社丸若屋を設立。伝統工芸から最先端の工業技術まで今ある姿に時代の空気を取り入れて再構築、視点を変えた新たな提案を得意とする。14年、パリのサンジェルマンにギャラリーショップ『NAKANIWA』をオープン、日本の手仕事の魅力を発信している。

NEWS | ニュース

1) 今の仕事について教えてください

日本の伝統工芸に代表される“文化”の持つ魅力を、今の時代に合わせて“再編集・再定義”するのが「丸若屋」の仕事です。まずは、対象となる物や企画を「因数分解」するところから始まります。具体的にはリサーチを通じて、そこにどんな魅力があるのか要素をバラバラに取り出し、次に今の時代に合う要素は残して、合わない要素は取り除く。最後に“今の空気”というエッセンスを入れこんで「再編集」します。このプロセスを通じて、古くから続いてきた文化の価値を「再定義」し直していこう、というのが僕たちの考え方です。

2) 「丸若屋」を立ち上げたきっかけは?

働いていたアパレルブランドを退職し、目的もなく国内外を旅していた時期がありました。そんな時、偶然訪れた石川県の博物館で古九谷(※1)に出会い、ものすごい衝撃を受けたんです。それまで僕の中では「九谷焼=お土産品」で、何の共鳴も感じなかった。でも、目の前にある古九谷の存在感は圧倒的。その少し前にテート・モダン(※2)でゴッホを観て「生で観るとこんなに迫力が違うのか」と驚きを感じたばかりだったのですが、それと同じベクトルの驚きを持つ品が、日本の古い焼き物として存在していた。 この衝撃をとにかく誰かに伝えたくて、東京に戻って友人たちに「日本には僕らの知らない、すごいものがまだまだある」と話して回りました。その時に会ったメンバーのひとりが、プーマジャパンで働いており、ちょうど世界に向けて日本側から発信するアイテムの企画を考えていた。その時に提案した「KUTANI BIKE」、そして「Bento-Box」シリーズがインパクトと評価をもらって、伝統工芸の再構築・再編集を得意分野とする「丸若屋」の誕生につながったんです。

3) どうしてそんなに“伝統工芸”に惹かれたのでしょうか

単純に「美しい」と思った、という感覚的な問題が大きいですね。うんちくが先行するより、心から素敵だと思ったもののほうが説明する時の熱量って違いませんか? 僕にとっては熱くなれる対象がたまたま伝統工芸で、心の中で共鳴がどんどん大きくなった。 もうひとつは、いわゆるITに代表される最先端の業界をもってしても、手で生み出されるこの“超リアル”なインパクトを超えるのはそうとう難しい、という確信です。こんなおもしろそうなことなら集中して取り組める、そう思ったんです。

4) 物作りのターゲットはどんな人たちなんですか?

文化ってそもそも何だろう? と考えたとき、コミュニケーションの媒介だなと思いました。物や空間を通じてそれぞれの文化を紹介することって、何よりのコミュニケーションになりますから。ということは、伝統工芸の新しい価値基準って、純粋に「好き」とか「あげたい」「もらって嬉しい」とか、いかにコミュニケーションの価値を生み出せるか、ではないかと。だからターゲットは特に定めておらず、「買ってくれる=価値を感じてくれた」という意味で、それが誰でも嬉しい。 しいてあげるなら“何かを生み出せる人”。生み出す力のある人の目に止まれば、「こんな技術を持っている人に何かを頼んでみたい」という新たな創造の場が生まれる可能性がある。仕事の場が増えるほど職人のモチベーションも上がるし、結果クオリティの維持にもつながる。生産者・購入者それぞれによい循環を生み出していくんです。

5) パリにもギャラリーを立ち上げたそうですが、その狙いは?

原点は僕の生まれ育った横浜・山手という環境にありました。幼い頃から欧米やアジア、いろんな文化が交じりあい、さまざまな背景を持った友人と一緒に過ごしてきましたから、海外が特別な場所でなく、フラットな感覚で入ってくる。だから「多くの文化がある世界の中で、とても美しい日本の文化」と捉えるのと「とても美しい日本の文化を世界に伝えよう」と捉えるのには天と地の差があるのを感じるし、既存の伝統工芸の多くは後者になりがちではないか、と肌で感じたんです。 いま「日本の伝統工芸を世界に……」という切り口で活動している人はたくさんいますし、これから東京オリンピック開催に向けて恐らくもっと増えていく(笑)。でもフラットな目線で海外を舞台にできる人は少ない。じゃあ僕たちがやろう、と。
パリを選んだのは、ちょうど仕事のプロジェクトがパリで進行していたご縁もあり、職人に恩返しをしつつ、いい緊張感を与えられる場所じゃないか、と感じたのもあり。あとは街を歩きながら「いま抱えているいろんなモヤモヤがこの街でクリアになったら、きっと気持ちいいだろうな」って思ったのも、大きいかな。

6) パリの人々の反応はどうですか?

きちんと主張する文化なので、目的意識がはっきりしている人間にとってこんなにいい場所はありません。『ル・モンド・マガジン』(※3)に取り上げていただいた時も、撮影現場はスタッフの意見がぶつかりあって、日本的に見ると険悪な雰囲気なんです(笑)。でも、仕上がりは素晴らしい。パリでは失敗もケンカも、すべてがプラスに向かうための気づきになるというか。 それに「NAKANIWA」のあるル・ジャコブという通りは老舗のギャラリーやカフェが多く、フランス文学が育まれた場所として文学者や哲学家、アーティストが集まってくる地域。つまりパリでも屈指の偏屈な人間が集まる所なのでコミュニケーションの場としては最高なんです。たとえば、ギャラリーのここが気に入らない、と店員に意見をくれたおじさんが数日後にまた来る。ちゃんと意見が反映されているか気になってしょうがないから(笑)。聞けば日本についてすごく関心を持っていたりする。そういうレポートが毎日届くので、スタッフ一丸となって「じゃあ、次にその人が来てくれたときに期待の上を返せるようにしよう」と話し合ったりして、日々チューニングを続けているような感覚です。

7) “クール・ジャパン”が叫ばれていますが、やはり日本に対する海外の関心は高いのでしょうか

関心は高いと思いますが、海外の人たちはまだ「和食」とか「UNIQLO」とか、突出した上澄みの部分を見ているにすぎない気がします。 じゃあ日本人が考える「伝統」とか「メイドインジャパン」が本物で、それを伝えればいいか、というとそれも疑問で。日本国籍さえあれば「メイドインジャパン」で、ストイックな職人の手仕事からお土産物まで「伝統工芸」になっているというか、掘り下げると本質的な意味が曖昧な点がたくさんある。そんな状態のまま「日本の伝統がいま熱い!」とメディアが後押しする風潮には、正直矛盾を感じますよね。

8) 今後はどんなことをしていきたいですか?

僕たちがやりたいのは、文化の再編集・再定義ですから、新しいデザインを取り入れたトリッキーな伝統品を作ることではないんです。提案したいのは、見方を1°変えるだけでこれだけ変化が生まれますよ、と次の時代の価値を作ること。 たとえば外国人をターゲットに据えたセレクトショップを考えるとき、伝統的な鉄瓶も売れるかもしれないけど、同時に炊飯ジャーやデジカメにもニーズがある。これをどうにかしてひとつに串刺しできないか、という悩みが生まれるわけです。そこで丸若屋が因数分解し、導き出すのは「メイドインジャパン」ではなく「英知」という言葉なんです。日本というフィルターを通して生まれ、次の時代に残せる「英知」という視点で、異なる分野をひとつに串刺す。文化は多種多様だからこそおもしろいし、その多様な文化それぞれに価値を生み出せば、文化はよりパワーアップしていく。
そういう意味では、今後は人のプロデュースにも挑戦したいです。文化は文化人が語る、という制約を超えて、スポーツ選手やタレントがもっと文化を語ってもおもしろい。価値や文化は誰の中にもあり、誰でも作れるものなんです。

9) いつも頭をフル回転させるお仕事ですが、煮詰まることはないですか?

1年の1/3東京、1/3地方、1/3パリという生活をしているのがいい気分転換になっています。場所が変われば自然に気分をスイッチできるし。 あとは地方に出かけたとき、地元の店で地元の物を食べるのも楽しみかな。「東京では薄くてきゃしゃな器が流行っているけど、このぐらいごつい器もいいな」とか、ご飯のときは物事を平和に考えられるので、食べるという行為は大切にしています。

10) 10年後、どんな自分でいたいか教えてください

自分が何もできない、と自覚しているオッサンになっていたい。何百年も続いてきた日本の文化を見ていると、何もかも人と人とのリレーでつながっていて、ひとりでできることなんて何もない、と実感して。 「こんなのダメに決まってる」とか、偏屈な概念を持ちはじめたら負けです(笑)。何もできないと分かっていれば、全てが勉強であり発見だから楽しいし「オッケー」と受け入れるところから始められる。いつも子どものような目線で物事を見られる、そんな年の重ね方をしていきたいですね。

TEXT:木内アキ

PHOTO:森弘克彦

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