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テレビっている?いらない?当事者たちが語る、その本音【前編1/2】

2015.6/17

Hakunetu title tv
テレビってどうなっちゃうの?

「テレビ衰退論」が叫ばれる昨今、テレビはこれからどうなっていくのか?
テレビ業界のど真ん中にいるおふたり、読売テレビ放送「ダウンタウンDX」などを手がけたプロデューサー西田二郎さん、TBSテレビ「リアル脱出ゲームTV」などを手がけるプロデューサー中島啓介さんと、テレビの外の立場から、IT企業など複数社の執行役員、顧問を務め、IT評論家でもある尾原和啓さんと、ラジオ局ニッポン放送のアナウンサー吉田尚記さん、4人をお呼びして、テレビの過去、現在、未来について語っていただきました。

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テレビの「中」と「外」の立場から見る、テレビの今後

ーーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

吉田 僕は、ラジオ局のニッポン放送のアナウンサーなんですけど、アプリの会社だったりとかいろいろやってます。気づいたら、社内の仕事が2割、社外の仕事が8割になって。だったら外で稼いでこいと、社内に自分のルームができてしまいました。

尾原 (名刺を見て)本当だ。しかも吉田ルームだ。

吉田 そうなんです。ラジオの仕事は週に4〜5回。プラス、最近、初めてテレビの仕事もいただいて。昨年の10月からレギュラーというものを体験しました。

尾原 僕は、履歴書だけでいうと灘中、灘校、京大、マッキンゼー、楽天など。今までの仕事をひとことで言うと、新しいプラットフォームを立ちあげるっていうことをずっとやっております。いまはインドネシアのバリ島をベースにして月の75%は向こうにいて、ネットマーケティングの会社の執行役員をやりながら、全部で21社の顧問をさせていただいているという状態です。

中島 えーっ! バリ島にいるんですか?

尾原 そうですね。あとテレビの話をしておくと、めちゃくちゃテレビ好きです。だいたい家では、全録で撮ったテレビ番組を2画面、1.5倍速、左右同時に見るっていうことをずっとやっています。あとガラポンTVが大好きで、ワンセグの字幕を全部撮って、自分の好きなキーワードのニュース番組をその時間だけ見たりしてます。

中島 中島と申します。TBSテレビに勤めております。大学卒業して、すぐTBSに入って、入社7年目になりました。3年くらい前までは、バラエティ番組を作っていて。当時、テレビの中の人たちが、本格的に“ネットとテレビの融合”をやろうとした動きがあったんです。そのときに書いた企画が「リアル脱出ゲームTV」です。

尾原 あれ作ったんですか! すごい、いい企画じゃないですか。

中島 ありがとうございます! そこから、いろいろ似たようなテレビとネットを連動させた番組を作ってきて、今に至るという感じですね。

西田 僕は、本社は大阪なんですけど、ほぼ東京で仕事をしてきました。「ダウンタウンDX」という番組を立ち上げてから21年間くらい。うちの会社では、稼ぎ頭っていう形でがんばらさせてもらっているところです。1月から営業企画開発っていう部署にいます。局をまたぎながらいろんな話をして、おもろかったらなんかやろか〜みたいな感じで企画を立ちあげています。

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テレビがなくても困らない?

ーーありがとうございます。まず冒頭に、テレビ業界の方がいらっしゃる中で恐縮なんですが、これから先テレビっている? いらない? というのをお伺いしたいなって思います。

西田 リアルには、別にいらんのでしょうね。だって、別にテレビが生まれる前はテレビがなくたって、みんな生きていたから。ただ、技術っていうのは一度発生して、人間がその体験をしてしまった以上は、戻れない。

ーー確かにそうですね。

西田  ひとつ言えるのは、テレビって、情報だけに特化していくような箱になれば、必要とされる量は相当減るんじゃないですかね。一方で、テレビの中でしか成し得ない文化ってものを、まだまだ開発していけるなら、消える理由はないですよね。絶対必要だから。テレビをつくる人間が、文化をつくる気概をもって発信するかどうかの1点にかかってる気がします。

吉田 今でもテレビはスペシャルポイントですよね。ほんとにちゃんとおもしろい番組だと、視聴率40〜50%って、たま〜にありますよね? これってたぶん、ほかのメディアでは絶対起きないスペシャルな現象で、逆にドラマとかやってハズした時、1%っていう現象も昔はなかった気がするんですけど。

中島 そうですね。ただ、今の視聴率っていう仕組みが本当に正しいかどうかっていうのは、そもそも指標の取り方がおかしいと言う人は結構いて。人口のボリュームが多い世代に向けた番組をつくれば、おもしろくなくても視聴率はとれる。そこも議論しなくちゃいけないかな。

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「高視聴率を狙わない」が番組を生かす!?
につづく

Interview/Text: 橋村 望
Photo: 神藤 剛

尾原和啓

おばら・かずひろ/1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人口知能論講座修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab、取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業などを歴任。近著『ザ・プラットフォーム:IT企業はなぜ世界を変えるのか?』が絶賛発売中。

http://qreators.jp/qreator/obarakazuhiro

西田二郎

にしだ・じろう/テレビ演出家。 1965年、大阪府生まれ。89年、讀賣テレビ放送株式会社入社。『11PM』『EXテレビ』を経て、93年放送開始の『ダウンタウンDX』を演出。98年、製作会社「ワイズビジョン」に出向し、さまざまな放送局で番組を制作。2002年、よみうりテレビに戻ってからは、意欲的に新しいジャンルの番組を手掛ける。15年1月より、営業企画部開発部長に就任。新たなビジネスフレームやクリエイティビティの誘発に取り組んでいる。

http://qreators.jp/qreator/nishidajiro

中島啓介

なかじま・けいすけ/TBSテレビ 番組プロデューサー。2009年にTBSテレビ入社。「マッチング・ラブ」「リアル脱出ゲームTV」「ジンロリアン〜人狼〜」など、ネットやテレビの融合などを積極的に取り入れた企画を多く手がける。

https://twitter.com/nkj0903

吉田尚記

よしだ・ひさのり/ニッポン放送アナウンサー。第49回ギャラクシー賞DJ・パーソナリティ賞受賞。著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)が発売3ヵ月で10万部を突破。 99年の入社以来、今に至るまでオールナイトニッポンほか深夜放送のパーソナリティを務め続けている。現在は毎週月曜日から木曜日深夜24時から放送中のワイド番組『ミューコミ+プラス』を担当中。

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