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【サフィア・ミニー×鎌田安里紗】ファストファッションからセンス良く抜け出す方法

2016.08.26

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ギャルモデルであり、現役・慶応義塾大学大学院生でもある鎌田安里紗さん。10代、20代を中心に支持を集める彼女はエシカル・プランナーでもあり、多数のファッションブランドとコラボをしたり、「エシカル」に興味を持ってもらえるようなイベントやスタディ・ツアーを手がけたりと、様々な形で発信をしています。

今回、そんな彼女が「この人の発想はこれからの暮らしを考える上でヒントになりそう!」と感じた人たち10人に突撃インタビュー。生活のこと、暮らし方のこと、自然との関わり合いのこと、自分を大切にすることなどについて、じっくりお話を聞いていきます。

第8回目のお相手は、鎌田さんがアンバサダーを務めるPeople Tree(以降ピープルツリー)の創設者、サフィア・ミニーさん。
イギリス人のサフィアさんが25年前に日本で始めたピープルツリーはフェアトレード・ファッションの世界的パイオニアであり、オーガニックコットンをはじめとした手仕事の商品を通じて、途上国の立場の弱い人々の自立を支援し続けています。

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25年前、日本の意識は低かった!

鎌田 ピープルツリーは今年で25周年ですよね。とても早い時期に社会の問題に気付かれ、活動を始められたのだなと驚きます。
25年前は今と、フェアトレードや環境意識などに大きな違いがあったのではないでしょうか。

サフィア そうですね。私が日本に来たのはちょうどバブルの末期頃だったので、新品同様のステレオなどが道端に捨てられていることもありました。
「この国には、3R(Reduce、Reuse、Recycle)を一言で表す『もったいない』という言葉もあるのに」と、とてもショックを受けたんです。

新品に近いものが簡単に捨てられているなんて、私にとっては信じられないこと。
先進国に住む私たちがこういった物の扱い方をすると、地球はすぐにパンクしてしまうと危機感を覚えました。

鎌田 そういった物の扱い方をすればすぐに資源も足りなくなってしまいますね。

サフィア そうなんです。そこで区役所や市役所に連絡をして環境に関する情報を集めようと思ったのですが、まったく資料がない状態でした。
最初は外国人用の英語の資料がないということなのかなと思ったのですが、日本人の友人に聞いても見つからない。
そもそも行政の環境課やリサイクル課の機能が不完全で、情報収集ができていない状態だったのです。

一方で、茶道を習っていると、日本の伝統的な文化では、古い器を愛でて作り手を賞賛したり、お茶の産地を語ったりしているということがわかりました。
昔の日本人はものを大切にしたり、手仕事を尊んだり、ディテールを味わったり、トレーサビリティを大切にしたりしていたのだと知って、少し安心しました。

25年経って、状況はずいぶん変わったと思います。今はリサイクル商品や低農薬、オーガニックの商品、環境に配慮した商品も少しずつ手に入りやすくなってきました。行政にリサイクル課もありますし。

鎌田 私は都立高校に通っていましたが、授業でフェアトレード、環境問題や南北問題などを学び、その中でフェアトレードのことも知りました。。
都立高校でもそういう制度や問題をちゃんと扱うようになってきているくらいですから、情報もずいぶん手に入りやすくなってきたのかなと。
私のファンの子のなかにも、みんな「学校で習った」と言っている子もいます。得られる情報としては、前よりもずっと増えてきているのでしょうね。

サフィア 学校でそういうことを教えてくれるのはすばらしいですね。大人になった時に、商品の選択基準も変わってくるでしょうから。

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日本でもヨーロッパでも、若者の意識は高まっている

鎌田 ピープルツリーのオフィスは日本とイギリスにありますよね。両国でお洋服を企画して情報を届けていらっしゃるわけですが、日本のお客様と、ヨーロッパのお客様とでは、反応の違いはありますか?

サフィア 最近、ロンドンでも編み物が少し流行っているので、「手編みなのにこんな価格で買えるのはすごい」と言ってくれる人が出てきています。
でも、手編みや手刺繍、草木染めなど、手仕事に寄せる関心度は日本の方がヨーロッパよりも高いと思います。

鎌田 手仕事に対して日本の人の方が関心を持つ傾向が強いのは、文化的背景があるのかもしれませんね。
自分の手で作ってみると手仕事の難しさや貴重さがわかりますよね。私もネパールで体験させてもらいましたけど、全くできませんでした。

サフィア 私も全然できないです。難しいですよね。
イギリスではオーガニックコットンのプリント製品が人気です。ドイツやスカンジナビアのお店でも、イギリス風のプリントがとても人気ですね。

鎌田 ファストファッションが生み出す問題や、貿易問題、環境問題など、社会問題に対する関心度合いは、ヨーロッパと日本では違いますか?

サフィア だいたい同じだと思いますね。
私は3月に『Slow Fashion』という本を上梓したのですが、そのリサーチのためにいろいろなショップに行きました。
それでわかったのは、大量生産大量消費型の店舗ではなく、売り手がセンスを生かして作り手と環境に配慮した商品を集め、エシカルライフスタイルを提案しながら販売するというお店が、ヨーロッパにも日本にも増えてきているということです。

消費者の意識がどんどん高くなってきていて、若い人でもトレーサビリティのある良いものを買いたいという人が増えています。
その結果、特にオランダに多いのですが、エコ・コンセプトストアが急速に増加していますね。
オーガニックカフェをやりながら、お洋服を売ったり、アートを見せたり、映画『ザ・トゥルー・コスト』のような社会派の映画を上映したり、ヨガをやったりしています。

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おいしくって、すてきじゃなければフェアトレードだってNG

鎌田 ピープルツリーも、お洋服やチョコレート、コーヒーなど、普段の暮らしに直結したものを販売することで、さまざまな社会の問題に気づくきっかけを与えていますよね。そこがすごくいいなと思っています。

サフィア ありがとうございます。まさにその点を考えて、バレンタインデーのためのフェアトレードチョコを作ったのです。
欧米ではバレンタインは、女性が男性に贈り物をもらえる日です。でも、日本で初めて迎えたバレンタインで、「女性は男性に、義理チョコをあげなくちゃいけない」と聞いて。「男性優位社会だなあ」って思ってびっくりしたんですが(笑)、だったらフェアトレードチョコを作ろうと思ったのです。

ボリビアのカカオ農家さんや、フィリピンの黒砂糖の農家さんたちとかと作ったおいしいフェアトレードチョコがあれば、チョコをきっかけに何か考えてくれるかもしれないって。
でも、こんなにチョコが人気になるとは思わなかった。うれしいですね。

鎌田 本当においしいから、どんどんあげたくなりますよね。

サフィア 義理チョコだったら、小さいハートのものでもいいかもしれない。ハートだと勘違いされるかしら。

鎌田 板チョコのほうがいいかもしれませんね(笑)。

チョコレート以外に、社会の問題に対して多くの人に興味を持ってもらうためにサフィアさんが意識していることはありますか?

サフィア そうですね。人は、「フェアトレードだから」、「オーガニックだから」ということだけで、商品に関心を持つことは少ないと思うんです。
デザイン、品質、手に取れる価格設定などをきちんと考えてあることが大事。オーガニックか、労働者が公正な賃金を受けているか、生産地の地元活性につながるか、環境に配慮して作られているか、伝統文化が守られるか等は、買う人にとって優先順位は低いものですから。

そのため、デザインや品質向上に力を入れています。伝統的な技術や、色彩感覚を活かしながら、何が作れるか。どうやったら買い手が喜んでくれるか、知恵を絞っています。

安里紗さんと一緒にネパールに行った時に、安里紗さんのセンスを活かして、かわいいニットのポーチなどをいろいろ企画していただきましたよね。そうやって知恵を絞って、喜んで使ってもらえるものを考えるのが大事だと思うんですよね。

鎌田 やっぱりそこが大事ですよね。「かわいいから使いたい」、「おいしいからまた食べたい」と思ってもらえるかどうかが肝ですね。

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「手」はすばらしい資源である

鎌田 サフィアさんとネパールとバングラデシュに行ったときに、「手」で、こんなに素晴らしいものが作れるんだということに驚きました。機械で作ることが主流になっている時代だからこそ、手仕事で生み出されるものには改めて感動します。

手で布を織り、手で縫って、手で刺繍をして……。このニットも、手で編まれているんですよね。そういう手仕事の現場を実際に見ると、本当にすごいなと思います。
けれど、機械化が進み、工場でものを大量に作る仕組みができていくと、そういった技術もなくなってしまうのですよね。

サフィア そうなんですよね。機械化が進んだ影響で、手仕事で生計を立てていた人たちが収入源をなくしてしまい、それが貧困を生み出しています。本当によくないことだなと思うのです。

鎌田 以前に、サフィアさんが「土地も水も足りないけれど、人の手だけはたくさんある。だから、ちゃんと手を使う仕事を作っていかないと」おっしゃっていましたよね。その話がとても印象的でした。

サフィア そうですね。手を動かすことでちゃんと収入を得て、ちゃんと食べて、自分の子供たちを学校に行かせるというのは、非常に大切な経済システムだと思っています。
私たちの持つ天然資源を考えると、きれいな水も、食べ物を生産する土地も足りない状況です。でも人の「手」だけはたくさんあります。人の「手」も大切な資源だと思うんです。

鎌田 先進国でも2020年までに機械化によってなくなる仕事が大量にあるという状況のなかで、この「手は資源」という発想は大切ですね。

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ファストファッションからセンス良く抜け出すには

サフィア 手を使う仕事を作るためには、手仕事で作った商品が売れないとなりません。
ただ、安里紗さんの世代はファストファッションに慣れている人が多いので、大量生産の商品の代わりに、付加価値のある手仕事の商品や、オーガニックの商品を買うことへシフトチェンジをするのが大変だと思うのです。
そういう人たちに、どうアピールすれば、変わりたくなると思いますか?

鎌田 ここ数年、ファストファッションが主流になって安い服が増えましたよね。
その結果、「憧れのブランドの服を買う」よりも「流行のコーディネートを低価格で買う」ことが“賢い買い物”であるというような風潮ができてしまいました。まずは、それ以外の買い物のあり方も提示していかないといけないと思っています。

私はフェアトレードや貿易の仕組み、ものづくりの仕組みや消費のあり方に非常に興味があります。だから私自身は、「洋服をたくさん持ち、毎日違うコーディネートをする」よりも、「デザインや生産プロセス、ブランドの思想、そしてもちろん価格もふまえて納得した服を着る」ということにワクワクします。そこで、それに関する情報発信をしています。

シフトチェンジするためには、フェアトレードやオーガニックの商品を買うという選択肢だけでなくていいと思うんです。実際問題として、価格的に買えないかもしれないですし。
でも、安さがどうして実現できるのか、安いから簡単に捨ててしまうことがどのような問題につながるのかという、自分の行動が社会に与える影響を考える。
「お金がないから、ファストファッションを」という選択だけでなく、「お金がないなら、古着屋さんやフリーマーケットで安くてかわいいものを探す」という方法もありますしね。

ファッションを取り巻く様々な問題を共有していくだけでなく、同時に、思い立ったら今日からすぐできるさまざまなアクションを示していかないと、物の買い方、お買い物の基準を含めたライフスタイルを変化させることは難しいと思うんですよね。

サフィア 古着の活用はいいですよね! 私の19歳の娘もよく古着を買います。
土曜日に古着屋さんに行ってきて、リビングルームに買ってきた洋服を広げて、「10アイテム買ってきたんだけれど、こんな風にスタイリングできるよ」なんて言いながら楽しんでいます。
自分のセンスをいかして、コーディネートを考える。そういう楽しさは大事ですよね。

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鎌田 イギリスだと古着屋さんで買い物するのは普通のことですか?

サフィア そうですね。一頃はファストファッションの影響で減っていましたが、最近はエシカルファッションやオーガニックファッションが注目されるようになり、その影響で若い人たちが古着屋さんで服を買うような流れも戻ってきています。
オーガニックファッションと古着をミックスすることもあります。お母さんの小物を借りたり、お母さんの洋服をリメイクして使ったりもしますし。私も娘に自分の洋服をリメイクされちゃって。「私が大事にしていた服なのにー」って(笑)。

鎌田 (笑)。でも、そうやって工夫すれば、ファストファッションばかりに頼らなくても、ファッション自体は楽しめますよね。
私もファッションは大好きだし、いろんなコーディネートは楽しみたい。だからといって、安くたくさんの服を買って、安いからすぐに捨ててしまう、という状況は不健全。リメイクや古着の活用など、楽しくできる工夫を私自身が模索しながら共有していきたいと思っています。

サフィア なるほど。イギリスにはチャリティーショップが割とたくさんあるんです。不用品を無償で引き取って、それを販売して利益をチャリティーに回すというお店です。
空き物件があると、大家さんは安い家賃でチャリティーショップに貸し出すんですよ。チャリティーショップは古着屋さんをやることが多いので、結果的に低価格の洋服が出回ることになります。

こういうシステムがあると、不用品をどんどん捨てるということはなくなって、いらなくなったら古着屋さんに持って行き、新しい人が低価格で引き取ることになります。古着が循環する仕組みができているんです。

鎌田 自分が飽きてしまった服でも、他の人にとっては目新しくて楽しい商品ですもんね。

サフィア そうなんです。日本ではスイッチングパーティはあまりやらないんですか? ロンドンで今、割と流行っているのですが、主に女性が10〜30人くらいがパブなどに集まって、お酒を飲みながら服の交換をするんです。

鎌田 ほとんど聞かないですね。そういう文化が足りないんでしょうね。

サフィア 日本人は、遠慮がちなところがありますからね。でも、お酒飲みながらやれば遠慮しないですし(笑)。

鎌田 それも大事ですよね。お酒を飲んで、楽しみながら!

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日常生活を無理せずオーガニック(本質的)なものにする

鎌田 洋服についてだけでなく、サフィアさんの生活全般についてもお聞きしたいのですが、サフィアさんはヨガをなさいますよね。それは何がきっかけだったのですか?

サフィア インドのオーガニックコットンの農家さんたちが我が家に滞在していた時に、急にヨガを始めたんですよ。私はヨガというものはヨガスタジオでやるものだと思っていたのですが、農家さんたちにとっては自分でやるものだったんです。

鎌田 日本だとスタジオにいくイメージがありますよね。

サフィア イギリスでもそうです。だから、農家さんたちの行動に感心して私もやりたくなり、3日間連続で教えてもらったんです。
それから、自分でヨガをするようになりました。
ヨガをやるためにヨガスタジオに行くのもいいのですが、出かけなくてはならないと、次第に足が遠のきますし。

鎌田 自分でやるなら、いつでもできますしね。
環境とか社会に意識を向けている人は、ヨガや瞑想をして「自分が何を大事にしているか」、「自分は今どんな状態か」と、自分と向き合う時間を取っていることが多いなという印象があります。
ところで、サフィアさんは食にもこだわっていらっしゃいますよね。

サフィア そうですね。シンプルにオーガニックなものを、なるべく生で食べるようにしています。たまにお魚を食べたりもするんだけど、ほぼベジタリアンなので、野菜が中心の食事ですね。イギリスではベジタリアンの人が多く、人口の1割ぐらいがベジタリアンなのですよ。
私は玄米と海苔が大好きで、自分でおにぎりを作ったり、パスタに海苔を一緒に入れて食べたりしていますよ。

鎌田 そうなんですね。自分で作るとおいしいですしね。

今のところ、食品でも服でも、環境や社会に配慮しているものほど価格が高い傾向がありますよね。そうしたこともふまえて、普段の暮らしの中から無理せずにできることはありますか?

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サフィア 私は会社に来るときに、自分でお弁当を作っています。そうすると、お金の節約になるし、何よりも健康的ですよね。外食したり、ペットボトルの水を買ったりすると、お金はすぐになくなってしまいます。そこをちょっと変えるとお金が節約できて、必要なものをオーガニックとかフェアトレードで買うこともできるようになるのではないでしょうか。

安里紗さんにとって、東京でエシカルなライフスタイルをしたいと思ったときに、ネックだと感じるのはなんですか?

鎌田 いろいろありますが東京に限って言うと、いま気になるのは「食」の部分です。
ほとんどの食材は東京外から届けられるので、物流コストがかかって野菜等が高くなってしまいます。そうなると、低価格で簡単に食べられるものに頼りがちですが、その生産プロセスは不透明なものが多いですからね。
一方で、地方に行くと農家さんが野菜が余って困っている、というような状況もあるので、そのギャップがもったいないと感じます。

エシカルなライフスタイルというのは、社会や環境への影響をふまえたうえで自分ができるだけ納得できる物を選択していく暮らしとも言えます。
味にも価格にも生産プロセスにも納得できる食の選択肢が東京に増えるといいなと思います。

でも先ほどサフィアさんがおっしゃったように、コンビニ等で買うだけでなく、家でおにぎりを作っていくくらいのことだったら始められるのかもしれない。
難しいことや、高額なものを買うことは取り組むハードルが高いですが、おいしくて楽しくて簡単なことはできますよね。

サフィア そうね、習慣になれば外国人にとってもおにぎりを作るハードルは高くないですよ(笑)。体にいいしね。

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「フェアトレードの学校」を作りたい!

鎌田 サフィアさんは25年間、フェアトレード・ファッションの世界的パイオニアとしていろんな問題を提起し続けてきたわけですが、今後チャレンジしたいと思っていることはありますか?

サフィア 書籍『Slow Fashion』の執筆を通して、やりたいと思ったことがあります。
最近、ファッション業界やメディアの人々が、ショップのプロデュースに力を入れています。自分たちでコミュニティを作り、新しいライフスタイルを提案するためショップを作っているのだと思うのですが、それをどんどん普及させていきたいのです。

それから、ピープルツリーのスタッフが先生になって、フェアトレードについて学ぶ「フェアトレードの学校」を開校します。
フェアトレードの現場ではどんなことをしているのか、なぜフェアトレードが必要なのか……。現地に出張に行っているスタッフから話を聞くことで、より身近にリアルに感じてもらえたら、と思っています。
そうすることで、フェアトレードのある生活を楽しみながら、周りの人にも人を大事にする働き方や環境問題などについて、“自分事”として話せる人を増やしていきたいと思います。

鎌田 それはすばらしいですね! 学校で社会問題を学んでもアクションに繋げられない人はたくさんいますし、忘れてしまうこともあります。でも、身近な人から話を聞くと意識が変わりますよね。

サフィア そうですね。社会問題を解決するのに、今、もっとも足りていないのは、コミュニケーションだと思うのです。アイデア、もの、気持ち、状況をシェアしていくことが必要です。

残念ながら、日本では国際的なニュースはまだあまり流れていません。バングラデシュでファストファッションを作っていたラナプラザの工場が崩壊したニュースも、日本ではあまり報道されませんでした。
もう少し世界のニュースが流れるようになれば、意識の高い人がシェアしたり、アクションを起こしたりすることもできるのですが……。今はまだそういう状況ではないのです。

そうなると、問題に気づくこともなくなってしまいます。
だから、社会問題を身近な人に上手に伝えられる人を育てたいと思っているのです。

安里紗さんにも、もっとダイレクトに、ファンの方々と複雑な問題を話し合ってほしい。もっとストレートにコミュニケーションをとりながら、スローライフ、エシカルライフに向かう方法を探ってもいい。「私たちがお買いものしている多国籍企業が本当にこれでいいのか」とかね。
もちろん話し合う時には、ファンの方々がパニックにならない程度に気をつけなきゃいけないですけど。いくら安里紗さんがファンに愛されていても、そこはちゃんと考えないとね(笑)。

そう考えていくと、やっぱり情報の伝達のためにはコミュニケーションスキルがとても需要なんじゃないかと思うんです。

鎌田 インターネットがあるので、問題意識がある人は自分で情報にアクセスできますが、そもそも問題意識がない人にはなかなかアクセスできない。そこで、問題意識を持つ人を作るというわけですね。

とはいえ、問題ばかり話すと、難しそうと思われて、目を背けられてしまいます。だから、楽しく、すてきな方法で伝えたいですね。工夫のしがいがありますね!

サフィア 安里紗さんのお力をぜひ借りたいです。

鎌田 ぜひ! 作戦会議をしましょう! 今日はすてきなお話を聞かせてくださり、誠にありがとうございました。

Interview/Text: FELIX清香
Photo: 鮫島亜希子

サフィア・ミニー(Safia Minney)

英国出身。1990年来日。フェアトレードブランド「ピープルツリー」と環境や貧困問題に取り組むNGO「グローバル・ヴィレッジ」の代表。2004年シュワブ財団により「世界で最も傑出した社会起業家」の1人に選出。09年フェアトレードとファッション業界への貢献が認められ、イギリス政府から大英帝国勲章第5位(MBE)を受勲。2012年には、サステナブルファッション推進に貢献した人に贈られる「The SOURCE アワード」を受賞。近著『Slow Fashion』(英語版)。

http://www.peopletree.co.jp/

鎌田安里紗

かまだ・ありさ/モデル、タレント
1992年、徳島県生まれ。高校進学と同時に単身上京。在学中にギャル雑誌『Ranzuki』でモデルデビュー。撮影などの活動を続けながら、2011年に慶應義塾大学・総合政策学部に現役合格。現在は同大学の大学院に進学、芸能活動も続けている。途上国の支援活動に関心が高く、自身のブログでも情報を発信。JICAの『なんとかしなきゃ!プロジェクト』のメンバーにも選出され、フェアトレード製品の制作やスタディ・ツアーの企画などを行っている。ニックネームは「ありちゃん」。ピープルツリー2016年秋冬コレクションでコラボ商品を打ち出している。

http://qreators.jp/qreator/kamadaarisa

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