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たった数分でアナタの人生を好転させる。TVプロデューサー角田陽一郎式発想術——後編

2016.1.18

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2015年12月に法政大学の学生に向けて行われた特別講義で、「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」など、TBSで数々の人気番組を手がけたTVプロデューサー角田陽一郎が、セルフプロデュース術から企画立案まで、就職や学業で知っておいて損はない情報を特別講義で大公開。その様子に迫ります。

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いい企画は『企画名』を聞いて、一発でわかるもの!


面白い企画について話してきましたけど、まだまだ続きますよ!企画ってタイトルが本当に大事で、一番いい企画は『企画名』を聞いて、一発でわかるモノ。たとえば、日テレさんの番組で『世界の果てまでイッテQ』という番組がありますよね!あれって本当にいいタイトルだと思うんですよね。名前を聞いただけで、「世界を旅するんだ」という事がわかりますよね。
さらには、「世界の果て」って、誰もが感じる壮大で冒険に出るようなロマンティックなイメージ!そして、世界の果てまで行っておいて、何をするのかというと、クイズする!という落差。「世界の果てまで行って、わざわざやるのがクイズかよ!」というこのイメージのギャップがドキドキを生むんですよね。だから、この『世界の果てまでイッテQ』はすごくいいタイトルなんですね。他局をこんなに褒めても仕方ないのですが、このように、企画を相手に伝えるときは、一発でわかるように気を付けた方がいいですね!

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相手に興味を持たせる『引き寄せ術』!


このイメージのギャップを利用するっていうのは、企画だけでなく人生や生活のあらゆる面で使える考え方です。これからここにいるほとんどの人は、数年後に就職をすると思います。マスコミの就職面接を受けて、成績が良くても落ちる人がいるのですが、そのよくある典型的なパターンの話をします。優秀な人は、「商社にも入りたいし、広告代理店にも入りたし、新聞社にも行きたいし、テレビ局も行きたいんですけど、今TBSを受けに来ています。」と答えてしまう人。いわゆるマルチに才能があり、自分はどの方面でも使えますよってスキなくアピールする人がいます。
でも、逆の立場で考えてみてください。「別にこの会社じゃなくてもいいんですけど、この会社でもいいです!とりあえず角田さんの所に受けに来ました!」と言われたとしたら、嫌じゃないですか。なのであれば、「僕はテレビが大好きで、その中でも特にTBSが大好きです!僕のこれまでの人生、TBSしか見たことありません!」くらいのオーバーな発言をしてみてください。すると、面接官から「それはウソでしょ!」と指摘注意を受けるでしょう。そこで、「すみません、言い過ぎました。でもそれくらい好きなんです。」と答えればここで一つ笑いが生まれます。好き好き言われて嫌な人はいません。そういったギャップを使った受け答えができれば、きっとうまくいくと思います。
僕がTBSに入ったときの話をします。僕は入社面接のときに「TBSはどう思いますか?」という質問を受けて、「業界第3位だと思います。」と答えました。面接官はTBSの社員ですから、そんなこと言われたらカチンとくるじゃないですか。でもそのあとに追加で、「それで僕がTBSに入ると業界1位になるんですよ!」というロジックを説明するのです。

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相手を惹きつける方法!「肉を切らせて骨を断つ法」!


「TBSでどんな番組作りたいのですか?」と聞かれたときに、僕は「エッチな番組を作りたい」と答えたんです。TBSは民放の中で一番真面目な会社です。「そんなエッチな番組を作りたいのであれば、他のテレビ局へ行けよ!」とツッコまれるでしょう。という事は、向こうにツッコまれることを想定して反論すればいいんです。『エッチ』というものについて学術的に説く番組や、政党を呼んでエッチについて討論させる番組を作りたいんです。などをしっかり語れば、「こいつ、おもしろいね!」となるんです。
逆に僕がテレビ東京を受ける際には、決して「エッチな番組を作りたい」とは言わないんですよ。たぶん、もっとまじめなニュースを作りたいと言うでしょうね。TBSに対して、エッチな番組という組み合わせがいいという事を分析したうえで言うわけです。そして、相手にツッコまれることを想定して反論も用意しとく。これくらいの視野を持っているといいでしょうね。

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人生はエンターテインメント。矛盾を楽しむという事がこれから求められる!


これまでは知識を求められてきましたが、これからは知性を求められる時代がやってきます。これからの時代は、知識がないとしても、ネットで調べればいいんです。調べた結果、その答えがあっているのか判断する知性が問われる時代になってくると僕は思っています。なので、世の中にある情報は適度に信じて、適度に疑う。この『適度』が僕は知性だと思いますね。

なぜ企業の企画書がおもしろくないか。企業などのプレゼン用の資料は相手にツッコまれないような企画書になっています。でも、企画って考えれば考えるほど矛盾が生じます。その矛盾をいかにがんばって正当化するか。突っ込まれるところがある方が、人間も企画書もおもしろいのです。これが人間の持つ余裕、つまりバッファだと思っています。これから先、エクセルで作るようなデータを集めただけのお堅い資料はきっとAIが自動でやってくれる時代になってくるでしょう。このように型にはめられたようなキッチキチの情報世界の中では、人間に求められるのはそういった事じゃない。つまりバッファが求められてきます。このようにバッファを持てる人が活躍できる時代になってくると思います。皆さんはこのバッファを大切に、活かしてこれからの人生を楽しんでいってください。

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人間、とりあえず1つあればいい


よく会社にお局様みたいな人がいるという話を耳にしますよね。お局様は女性を指しますが、男性でもいるんですよ。何も仕事しないのに、歳を取ってるから給料だけ高い人とか。なんで、そういう人が生まれるのか考えてみました。そこで僕が思うのは、人間はいいところが1つだけあればいいんだということ。結局、人間って1つしか持てないと思うんですよ。その1つというのは会社でいうと何でもいいんです。たとえば、○○さんのいいところの1つに『かわいい』があったとします。「○○さんは仕事できないけど、かわいいからいいや」というものが許されてしまうのが、実際の社会というものです。そんな容姿で選んでいいんですか?と言われますけど、許されてしまうのが社会です。

でも、かわいくなくてもいいんです。かわいくなくても、性格が良ければ。「○○さんはかわいくないんだけど、頑張ってるからな」となるんです。究極、ブスで性格が悪くてもいいんです。仕事ができれば。「○○さん、ブスで性格悪いけど、仕事ができるからなぁ…」となってしまうわけです。でも、今日ここにいる若い皆さんが気を付けなければならないのは、『若さ』というものがその1つになるということ。
若いときはいろいろ仕事が来るんですよ。それを実力と勘違いする人もいますが、結局若い奴は男も女も使い勝手がいいから、自分が努力しなくても仕事が向こうからやってくるのです。でも年を重ねると、そうでなくなります。もし『若さ』しかいいところがないと、その人が年齢を重ねて『若い』というものがなくなると、その人の価値もなくなるわけです。そういう人が歳取って、お局様になっていくわけですね。
だから『かわいい』でもいいと先ほど言いましたが、容姿は年々劣化しますから、『かわいい』が価値になっている人はそのままだと、若さがなくなるとともに『かわいさ』は劣化していきますから、そういう人には『かわいい』という価値以外のものを身につける努力をしていくことをお勧めしています。皆さんのような学生のうちに『若い』や『かわいい』に代わる自分自身の価値が見つけられれば、必ずこれからの未来でやっていけますから、それを1つ見つけてみてください。



最後に

この講義を受けてみて、非常におもしろく、心臓が高鳴る自分を感じた。講義を聞いている学生の中の多くは目をキラキラと輝かせていた聞いている人も多かった。きっとこの先、今回の講義から刺激を受けた若人の中から成功への階段を駆け上がっていくものがあらわれるに違いない。

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Interview/Text: まつじゅん。

角田陽一郎

かくた・よういちろう/バラエティープロデューサー・TBS「オトナの!」プロデューサー
TBSテレビ メディアビジネス局スマートイノベーション推進部兼制作局制作一部所属。1970年千葉県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSにテレビに入社。TVプロデューサー、ディレクターとして「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」など、主にバラエティ番組の企画制作をしながら、映画『げんげ』監督、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在は、いとうせいこうとユースケ・サンタマリアがMCを務めるオトナのためのトーク番組「オトナの!」を担当している。成功の神はネガティブな狩人に降臨する――バラエティ的企画術に続く、新作著書「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく世界史が絶賛発売中の他、水道橋博士が編集長を務める有料メールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』で「オトナの!キャスティング日記」を好評連載中。

http://qreators.jp/qreator/kakutayoichiro

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