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大企業への就職よりも、昆虫を食べることを選んだ、「地球少年」こと篠原祐太の人生論

2016.7.19

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物心がつき始めた時には昆虫を食べていた篠原祐太。彼は年中半袖、ハーフパンツで過ごしているという。また、昆虫を求めてやぶの中に入るため、服が破れていてもお構いなし。それは独自の理論があってのことだった。そんな篠原祐太が、普段の生活から社会問題となったゴキブリ焼きそばのことまで、独自の理論に基づいて答えてくれた。

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人間は適応能力に優れているんです!


———一年中、Tシャツにハーフパンツなんですね。寒くないですか?

篠原:よく言われます。ただ、年中この格好で過ごすようにしていて。何というか、皮膚を鍛えようと思いまして。不思議なもので、年中この格好でいると適応してくるんですね。寒さにも強くなりました。鈍感になっただけかもしれませんが。笑後は、僕の場合、昆虫を採りに山の中に入ることも多いのですが、こういった格好の方が自然を感じやすいんです。(肩を指さし)ここもこないだやぶに入ったときに枝に引っかけて破れちゃったんですよ。(ズボンのお尻が破れているのを指摘すると)ははは。見ないでください。笑

———日常の生活の中でも昆虫を探したりするのですか?

篠原:毎日探してますよ。(代々木公園の木々を指さし)冬は昆虫たちが冬眠に入る時期なので、木の中などを覗いたり。あと、よく野宿をするのですが、野宿中は沢山の生き物に遭遇します。その時は、逆に人間の方が怖かったりするので護身用に昆虫を持っていたりしますね(笑)。

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昆虫を食べる時は生に限る


———この大きいバッグにたくさん昆虫が入っていますが、いつも持ち歩いているのですか?

篠原:はい。いつもはもう少しコンパクトな虫かごに入れていますが。このゴキブリは僕の彼女なんですが、いつも一緒に外出してます。すごくかわいいんですよ。

———昆虫を食べるときは調理したりするのですか?

篠原:そうですね。ただ、僕はできるだけ素材本来の味を楽しみたいので、調理するとしても、軽く炙ったり、素揚げする程度が多いですね。調味料もできるだけシンプルにしたいので、塩を軽く振るくらいとか。調理できない場所では、生きたまま食べることもあるのですが、その時の喜びは格別です。命をいただく喜びというか。あっ、ただ、寄生虫や菌のリスクを防ぐために加熱処理は必須なので、昆虫を食べる際はぜひ加熱を徹底してください。ご注意を。

———お腹を壊したりしたことはないのですか?

篠原:これまでにいろいろ食べてきましたけど、ないですね。さいわいなことにこれまでは一回もないですね。もしかしたら、小さい頃から食べてきたことで、お腹が強くなったのかもしれません。笑

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痛みの怖さよりも好奇心が勝る!

———痛みに怖さはないですか?

篠原:もちろん怖さもありますが、それ以上に好奇心や探究心が勝りますね。噛まれたらどん
な痛みを感じるんだろう、どうやって刺してくれるんだろうって考えているとワクワクが止まりません。

———昆虫で一番美味しいものは何ですか?

篠原:そうですね。シロスジカミキリというカミキリムシは、サイズもなかなかなので食べごたえもありますし、何より味がクリーミーで美味しいですね。また、採るのも大変なので、その苦労を考えると一番美味しいと感じますね。

———そのまま食べるのですか?

篠原:そうですね。基本的にはあまり味付けせずにいただきます。軽くあぶって、しょうゆを
かけて食べると絶品です。たぶん、美味しい昆虫No.1と言われると、この料理を挙げますね。

———今大学生ですよね?今後の進路は考えていますか?

篠原:ある程度考えてはいますが、まだ不透明です。僕は自然や生き物が心から大好きなので、そういったことに関われるベストな環境があるのであれば、就職も視野には入れたいです。ただ、まだそういった企業などは現れていないので、この活動をしながら自分のベストな環境を探しています。一言に昆虫食といっても、昆虫食のプロデュースやワークショップなどやることはたくさんありますので、そういったことをできる環境を積極的につくっていきたいですね。

———でもお金は稼がないといけませんよね?

篠原:僕の場合、究極な話ですが、虫を食べていれば生きていけるので、お金のことをそこまで考えたことはありません。普段から野宿もしていますし、生きていくという事だけであれば、できると思うので。でも、活動をしていく中で、お金があれば活動も楽になりますし、より多くの人に知ってもらうこともできるので、最低限の収入があれば十分だと思っています。なので、お金にならないから昆虫や生き物に関わる活動を辞めるという理由は、僕には結びつかないですね。 僕の場合、生き物全般が大好きな中で、昆虫食の魅力はもちろん、昆虫食の置かれた社会的な立ち位置やこの領域で挑戦する人の少なさもあり、今は昆虫食に絞っている感じです。結果として、社会的な意義も感じていますし、やりがいはとても大きいです。

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ゴキブリ入りカップ焼きそばを昆虫食の観点から斬る


———昆虫食と一緒にしてしまうのは違うということをわかって質問します。約1年前にカップ焼きそばにゴキブリが入っていたことが問題になりましたが、どう思いますか?

篠原:そうですね。あの件について、僕が思うのは、あれは『異物混入』が問題であって、『ゴキブリ』はそこまで問題になるものかと思いましたね。おそらくゴキブリという事にインパクトがあったのでしょうが、もっと『異物混入』にクローズアップしてほしいと思いましたね。なので、論点が『異物混入』ではなく『ゴキブリ』になっていったことにすごく疑問に感じたというのが正直なところです。昆虫食への世間の理解はまだまだ遠いなと感じる事件でした。ゴキブリだって意外と美味しいので。ペヤングさんとコラボして、ちゃんとしたゴキブリ焼きそばをつくれたら良いなと密かに狙ってます。笑




最後に

篠原さんは昆虫を愛している。愛しているがゆえに、そのエネルギーを体内に入れ一体化したいのではないかと感じた。また、彼自身も自分の生き方に対して誇りを持っている。自分らしさを貫くからこそ、彼のメッセージは強く私達の心に突き刺さる。彼の標榜する昆虫食が今後の世の中にどのような影響を与えていくのだろうか。

Interview/Text: まつじゅん。
Photo: 森弘克彦、shutterstock

篠原祐太

しのはら・ゆうた/地球少年
1994年地球生まれ、21歳。慶應義塾大学在学中。地球の自然や生き物を心から愛する。現在は、数千匹の生き物と同棲する傍ら、昆虫食の魅力や可能性を伝える活動に奮闘中。多様な虫料理企画の主催から、虫料理のケータリング、記事執筆、イベント登壇、世界初の虫ラーメン販売や虫を使ったフレンチ料理などと幅広く手掛けメディア出演も多数。赤坂サカスでの虫ラーメン販売は、2日で600杯を完売、大きな話題を呼んだ。衣食住の再構築と自分自身の探求がテーマ。地球を感じながら全力でいきていきたい。

篠原裕太公式HP
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篠原裕太公式twitter

http://qreators.jp/qreator/shinoharayuta

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