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孫正義が一発で気に入る脅威のプレゼン力。前田鎌利が提唱する、本当のプレゼンテーション力とは!?

2015.12.10

Maedakamari top 2

前田鎌利(まえだ・かまり)。ソフトバンクアカデミア第一期生として選抜され、初年度の優勝もおさめたプレゼンテーションのプロだ。
著書「社内プレゼンの資料作成術」(ダイヤモンド社)は発売一ヶ月で三万部を超えるベストセラーになり、現在も在庫切れが相次ぎ、入手困難な状態が続いてる。そんな彼がプレゼンテーションのコンサルタントを務めているJリーグで、三度目の講習会が行われた。そこへ潜入し垣間見ることが出来たのは、単なるプレゼン技術だけではなかった。相手を思いやる優しさや、柔軟な対応力。様々な物事に応用出来るだろう前田鎌利の”プレゼン哲学”をご覧いただきたい。

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ホウ・レン・ソウは大切。しかし、大半の人が1つのやり方しか行っていない。


――前田さんは、Jリーグさんの他にも、様々な企業や学校でプレゼンの講義を行われていると存じます。それぞれ教え方や講義の進め方は変えるのですか?

前田:結構変えていますね。企業さまでは、学びたい方を募集いただき、僕の用意した課題をやっていただくスタイルで行うことが多いですね。演習という形で、手を動かしてもらいながら学んでいただきます。グラフの見せ方など、何かに特化した研修を毎月毎月重ねている形です。

前田:Jリーグさんで行っている講義は独特のものです。実際に皆さんのプレゼンテーションを持ち込んでいただいて、それにアドバイスするスタイルにしています。すごく実践的です。皆さんがこれから行う直近のプレゼンに手を加えていく感じですね。個別の課題や悩みへ真剣にお応えしています。


――Jリーグさんではどのような講義形式が行われているのですか?

前田:どこでも一緒なのは「誰向けのプレゼンなのか」を強く意識してもらうことですね。これはとても大切なことなんですよね。聞いてもらう人によって、プレゼンの中身は当然変えなくてはいけませんから。
これはホウレンソウにも言えると思います。ホウレンソウは大事だって誰もが言うんですが、そのスタイルを一つしか持ち合わせていない人が多いですよね。すごく忙しい方、放任主義の方、それぞれに合わせたやり方をしなくてはいけません。

プレゼンも同じように、聞いてもらう相手のことをきちんと思いやって、その人にあったやり方で行わなくてはいけないんですね。同じ資料でも、聞き手が違うならきちんと内容や方法を変えなくてはいけません。100人に対するやり方と、マンツーマンでやるプレゼンは違います。伝える相手を意識して、きちんと臨機応変に変えましょう、ということは強くお伝えしたい部分です。


――「相手によってプレゼンのやり方を変える」というのは、簡単なことではないように思ってしまいます。

前田:実は皆さんも普段当たり前にやっていることなんです! 例えば就職が決まったことを誰かに話すとき。親に話すのと、学校の先生に話すのとでは、伝え方が当然違ってくると思います。
親には「大丈夫だって言ったじゃん!」となりますが、先生にはそんな風に言いませんよね(笑)。そういった当たり前に普段きちんと出来ていることが、ビジネスになると急に出来なくなってしまうんですよね。

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1つの魂のプレゼンが、社内全体を大きく変化させる。

実際に講習を受けたJリーグ社員・宮本さんにもお話を伺った。


――Jリーグさんとしては、実際に前田さんの講義を受けて、いかがですか?

宮本:とても有意義で、参考になっております。アドバイスいただいたところは、早速会議に取り入れさせていただきました。「課題」「解決」「効果」という項目を設けて、資料を作成するように変更しました。他にも、会議の中で制限時間を設定するようにしましたね。プレゼンは短く、説明も短く、そうすると議論の時間が長くなります。すぐに会議そのものの質が向上しました。

前田:素晴らしいですね。良いプレゼンは、短く端的に意図を伝えられます。プレゼンというものは、ディスカッションの時間を増やすことに意味がありますからね。会議の資料を取ってみても、意見を通すだけでなく、会社として利益をあげることが本来の目的です。素晴らしい変化ですね。


――プレゼンを変えると、社内の雰囲気や会議の中身まで変化してしまうんですね!

宮本:すぐに変わりましたね。例えば会議においては、議題ごとに時間制限を設けたことで、終了時刻の目安も立ったんですね。プレゼンする側だけでなく、他の方もその終了時刻を意識するので、スピードがとても上がりました。議論が活発になったんですね。この間なんて設定時間よりもはやく終わってしまって、30分引き延ばさなければいけなくなってしまいました。

こんなに早く効果が現れるとは驚きです! 社員みんなの意識がちょっとづつ変わってきているのが嬉しいですね。そもそも会議がとても多い会社だったんです。会議のための会議のための会議があるような状況。
そうするとその資料作成や、打ち合わせに日中の時間をかなり裂かなくてはならなかったので、そういう点でも社内全体の効率が上がりました。社員の会議に対する意識改革だけではなく、日中の仕事や過ごし方まで変わってきているのがすごく嬉しいですね。


――今後はどのようにしていきたいですか?

宮本:今は講義をお願いしてから三ヶ月なんですが、更なるアドバイスをいただきながら、もっと社内を変えていきたいと考えています。
プレゼンテーション力だけではなく、会議の中身も変えていきたいんです。資料や会議を改善するのはもちろん、社員の成長、学ぶ機会をしっかり作っていきたいです。プレゼンの考え方は、会議だけではなく様々な場所で応用出来ると思っています。知っているのと知らないのでは全然違うんですよね。
それを社員の皆さんに知っていただきたいですね。色々なところにつながります。会議だけでなく、社員の意識改革すべての役に立たせたいです。


――変わってきている実感として、どんなことがありますか?

宮本:この前田さんによる研修は、リーダー以上の希望者として設定していたのですが、社内でも口コミが広がり、参加したいという希望がすごく集まっているんです。
社員の中でも、学びたい、知りたい、という気持ちがすごくあったんだなという事実に気付けました。これからもどんどんその渦が増していき、社内や関連会社、サッカー協会の方々まで参加していただきたいです。研修を受ける前と後では、資料の作り方が明らかに違いますから。

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プレゼンをやっていく中で見えてくるもの。


――前田さんから見て、Jリーグさんにまだ残されている課題は何ですか?

前田:Jリーグさんにはフォーマットがいくつもあるんですね。ワードで作られていたり、パワーポイントで作られていたりと。そのフォーマットもそれぞれの形式で複数あったりもするかと思います。
またクライアントの種類も多く、色々な人へ向けたプレゼンが必要なんです。とても臨機応変に対応しなくてはいけませんね。僕の書籍は社内プレゼン用の内容なので、社外に向けのことは書いていません。

社外に向けてのプレゼンはこの本と同じやり方だと伝わりませんので、それは口答で補足しています。一番大事なのは、自分が伝えたいことを、臨機応変にやりましょうねということです。本はあくまでもベースで、その都度、聞き手の立場に立って、分かりやすいよう臨機応変に対応していただきたいと考えています。

宮本:そういう意味では、前田さんはどの案件に対しても、きちんとソリューションを提示してくださっているので非常に助かっています。
私達が実際に扱うプレゼンに対してフィードバックをいただけるのですごく助かりますし、勉強になります。表面的な資料の作り方というよりは、やろうとしている中身のロジックが成り立っているか、本質的なところをきちんと見てくださっているので、満足度が高いですね。
本当にお願いしてよかったと思っています。先生が相手の立場になって考えているからこそ出来る講義なんですね、今のお話で痛感しました。



プレゼンテーション力とは、会議を円滑に進めるうえで必要不可欠な能力だ。しかし、実際に講義を受けたJリーグ関係者の方々が言うように、その力はプレゼンにとどまらず、様々な場所で応用することが出来る。
プレゼンに悩んでいる方も、そうでない方も是非、前田鎌利氏の著書「社内プレゼンの資料作成術」を手に取ってみてはいかがだろうか。彼の思いやりの心を知れば、日常生活のいたるところが、さらに豊かなものに変化するかもしれない。





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Interview/Text: 倉持ゆうり

前田鎌利

まえだ・かまり/一般社団法人 継未-TUGUMI-代表/書家/プレゼンテーションクリエイター
1973年、福井県出身。5歳より書を始め、東京学芸大学書道科卒業後は独立書家として活動。2010年ソフトバンクアカデミア第一期生として選考され初年度一位の成績を修める。2013年ソフトバンクを退社し、未来へ書を継承していく書道塾「継未-TUGUMI-」を全国13校で主催。書家として企業理念、プロダクトデザインやライブイベント揮毫、個展開催と精力的に活動。ビジネス経験を踏まえて、プレゼンテーション講師、ビジネスコンサルタントや講演活動等も多数開催。著書「社内プレゼンの資料作成術」(ダイヤモンド社)は発売後1ヶ月で3万部を超えるベストセラーに。

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