テクノロジーとサイエンスが変えるQOL

2015.10.14

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先日、六本木ヒルズで開催されたINNOVATION TOKYO 2015というイベントに弊社QREATORの久保友香さん、石川善樹さんが対談をされました。

司会者と、イチゴ農家の岩佐大輝さん4人での「テクノロジー/サイエンスが変えるQOL 」についての対談です。

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———まずは、自己紹介

石川:  予防医学の研究をしています。僕は研究者で本質と未来を考えるのが仕事で今日はそんな話ができればと思っております。

久保:  私も大学で研究を仕事にしております。分野はコンピューターとかインターネットの分野で未来がどうなっていくべきかを考えております。その中でも日本の女の子のコミュニケーション能力は凄いなと思っていて、そのコミュニケーション能力を未来のインターネット技術のヒントにしようとしています。

岩佐:  私は、東北宮城県やインドで、イチゴの農家をしております。ただ作っているのではなく、AIやコンピューターを使って、どうやって甘いイチゴを作れるか、同じ面積でより多くのイチゴを収穫できるかに挑戦しています。企業家として、農業生産法人の経営者です。宜しくお願い致します。

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———今回の対談では、今まで当たり前にしてきたことがこう変わるとか、未来がテクノロジーとサイエンスが加わる事によってこう変わるんじゃないかという話を聞いていくことに。

岩佐:  私は、農業を始めて4年位で、それまでは東京でソフトウェアの開発会社の経営をしていました。故郷は宮城県の山元町という所ですが、そこが3.11で震災の津波の被害に遭い壊滅状態になったのです。故郷の特産であったイチゴを再興させるために農業ベンチャーを立ち上げました。イチゴ作りのベテランに農家になるには「15年はかかる」と言われ、イチゴで地域復興するのにそんなにかかるのかと思いびっくりしたのですが、彼らの匠の技や知恵、技術をICTなどに詰め込んで新しいスタイルでイチゴを作りを始めたんです。そしたら、一粒千円位で売れる甘いイチゴができました。旧来のものにテクノロジーを入れることによって変わった経験です。

司会者:  無駄を排除し、システム化してしまうというところでだいぶ効率的になっていくということですよね。これについて久保さん今のお話を聞いていかがでしょうか?女性って無駄を嫌いますよね?男はロマンだとかって言いますが。

久保:  確かに、女の子ってずっと昔からコミュニケーション上手で、例えば、平安時代にひらがなを作ったのは若い女性なんです。今の時代では、絵文字や自撮りは、日本の若い女の子から世界に広がったものです。めんどくさい事は嫌いですが、誰かとコミュニケーションしたいというような中で、簡略化したものが出てきて、最初はバカにされがちなのですが、広がりやすいんです。そういう彼女たちが無駄を嫌い、簡略化するところが、未来のコミュニケーションにも使えるのではないかと思っています。

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司会者:  なるほどですね。医療の現場でもそうだと思うのですが、難しい治療であったりだとか、健診ってのがシステム化されて簡略化して民間でもできるようになってくると社会がだいぶ変わるのではないですか?

石川:  ちょうどタイミングが悪い事に、取材に遭ったんです。テレビ局で、原宿でイケてない格好をしている人を探して取材するもので、「失礼ですけど、どちらのお洋服ですか?」と聞かれ「ユニクロです」って答えるのは、はばかれるなと思って、「タダシ ヤナイ」って答えたんですよ。<※柳井正…ユニクロの創立者>そうすると、ファッション通の人は「え?だれですか?」みたいになって「日本発のブランドで世界でも流行っているらしいですよ」って付け加えたら驚いていました。

司会者:  ユニクロの説明なのに、上手い事言いましたね~

石川:  そこから変わりました。僕は世界ブランドの「タダシ ヤナイ」を着て原宿を胸張って歩けるようになりました。先程の精神状態とは違い、胸を張って歩けるという良い分岐点になりました。例えば、街をどういう気分で歩くか、どういう事を考えながら歩くとハッピーに過ごせるかは、凄く重要な予防学のテーマなんです。僕たちが普通に生きている時にどうやってワクワクを高められるか。そこの知恵が求められると思います。

司会者:  ちなみに、そのわくわくの知恵を求められるという点では、お二人はそれに近いものを提案されているかと思うのですが、女性のわくわくであったりとか、職のわくわくであったりとか。ちなみに、宮城イチゴを作った時に、どうしてイチゴを選んだのですか?

岩佐: まず、イチゴというのが日本人が好きな果物20年連続No.1なんです。女性が大好きで、形も可愛いし、イチゴのマーケットサイズって1700億位あるんです。結構農産物にしては、大きいマーケットで、そういったビジネス的な理由です。もう一つは、宮城がイチゴの大生産地であって匠の職人みたいな方たちがたくさんいらっしゃったので、そういった方々と自分のITを結びつけることによって、イノベーションらしきものが起きないかなと思いイチゴを始めました。

司会者: では、イチゴにわくわくしたというか、イチゴに対して何をしたらわくわくするかを考えて始めたってことですよね。久保さんはどうですか?

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久保: 今、シンデレラテクノロジーというのを掲げていて、女の子が外見を魅力的に変化させるための先端技術を研究しています。

その一つをセルフィーマシーンと呼んでいるのですが、バーチャルなアイデンティティを変身させられるプリクラとか自撮りでアプリで加工できるようなものです。これだけ考えると、ただの遊びの世界でくだらないなと思われるかと思うのですが、それが今くだらないで終われなくなっていて、ネット上でのプロフィール写真とハンドルネームが実際の顔と名前より有名になるような事が起きています。

バーチャルなアイデンティティを、実際のリアルなアイデンティティよりも価値を持つようにさせている技術はソーシャルステージと呼んで、それもシンデレラテクノロジーの一つとしています。今、地方の宮崎の農業高校の子を追いかけているのですが、フォロワーが10万人いて、一つ一つの写真やコメントが良いわけではないのですが、じわじわとしたたかに昇りつめる方がいるんです。そういう子をずっとネット上で追いかけたり、実際に会う時が一番わくわくします。

司会者: 実際に会ってみて、良かったねとちょっと期待はずれどっちが多いですか?

久保: 外見的には、盛った写真をアップしているので、表面的にはもちろん期待はずれです。でも内面的には違います。最近では、「プラスティックコスメ」といって、プリクラみたいな顔を実際に作れるようなものが実際にあり、つけまつげだとか、カラコンとか二重瞼とか今までの金属製やオイル製のものではなくプラスティック製の劇的に変身できるようなお化粧グッズが出ていて、そういうものでバーチャルと同じ顔ができる。今の子はバーチャルとリアルを上手に行き来できるようになっていて、実際に会った時に見るのはそこの努力で、それに関しては、期待通りやそれ以上のことが多いです。

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司会者:  なるほどですね。医療の現場でもそうだと思うのですが、難しい治療であったりだとか、健診ってのがシステム化されて簡略化して民間でもできるようになってくると社会がだいぶ変わるのではないですか?ネットというツールは、今お話頂いた良い側面がありますが、逆に暗い部分もあると思います。例えばいじめとか、SNSを更新しなくてはいけないプレッシャーで精神的に病気になってしまうケースがあるかと思います。予防医学の観点から、そういうものにのめり込んでしまっている子に対しての助言するとしたらどんなアドバイスがありますか?

石川: 携帯があろうがなかろうがSNSがあってもなくてもいじめはあります。例えば、1日の生活を振り返った時に、僕らがどれだけ携帯を意識しているだろうかって考えると、携帯を意識している時間が長いと思います。それって主体的に生きているよりも携帯の言いなりになって生きているような気がしませんか?

実際に去年、SNSの通知を全て切って過ごしたら平穏が訪れました。これをする際には、周りの協力も必要で「何か緊急事態があれば電話してください」と言いました。全くかかってきませんでした。緊急性が低いけど、LINEだと連絡しやすいんですよ。女性のコミュニケーションってすぐ返ってくるという期待があると思うんです。ちょっと思ったのは、女性の方がコミュニケーション上手っていうのは、予防医学的に面白いのです。

男性と女性でなぜ寿命が違うのかっていう疑問があり、その点が予防医学の大きな謎だったんです。昔から女性が長生きだったわけではなく、ここ百数十年の話です。それまで、ほぼ寿命は変わらなかったんです。感染症の時代が終わって、慢性疾患(心臓病やがん)で亡くなるようになってから、男性と女性の平均寿命の差が開くようになったんです。

なぜ、女性が長生きかというと、女性の方がストレス対処がうまくて心臓病が少ないからという結果が出たんです。男性と女性でストレス反応が違うというのもここ数十年で明らかになった事で、男性はストレスを受けると戦うか逃げるしかないんですよ。女性は、第3のストレス反応としてストレスを受ければ受けるほど、誰かに話したくなるんです。人に話すことでストレス発散できるんです。そういう構造があるので、「女性は長生きなのでは?」と、言われていて、男性が今後寿命を延ばしていくためには話さないといけない。誰と話すかですけど、同年代の男性は、早くに亡くなっていくので平均寿命の長い女性と話すスキルを身に着けることが重要です。

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司会者:  女性は、束になって力を発揮する事って多々ありますよね?アイドルとかもそうなんですけど。ソーシャルネットワーク上でもそういったことってありますか?

久保: あります。女の子は、共創が上手なんですよ。ある時、「なんで、お化粧とかプリクラを頑張るの?」って聞いたことがあるんです。
女の子自身も「なんでだろ?」って目的意識もなくやっていたんです。よくよく聞いていくと「自分らしくあるため」という結論が出ました。私から見ると、お化粧したりプリクラで加工したりする事で、皆同じ顔に量産されているのに、本人たちはそこに自分らしさを感じているんです。
しかし、つけまつげ一つとっても、4種類位のものを切って貼って作って自分仕様にしているんです。私達には同じに見えるものでも、彼女たちから見たら確実にある差異があるんです。「自分らしさ」も一から出すのはかっこ悪い事とされていて、まずコミュニティでの基準を守った上で差異を出していくという個性の作り方をしている。それによってトレンドが生まれています。
女の子コミュニティ全体で作り出している作品とも言えます。

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———三者三様のテクノロジー/サイエンスが変えるQOL
まだ気が付いていない所にも未来を良くするヒントが溢れている事に気付かされました。

Interview/Text: 玉造紫乃

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久保友香

くぼ・ゆか/東京大学大学院 情報理工学系研究科 特任研究員/シンデレラテクノロジー研究者
1978年、東京都生まれ。2000年慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科卒業。2006年東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師などを経て、14年より東京大学大学院 情報理工学系研究科 特任研究員に就任。専門はメディア環境学。

http://qreators.jp/qreator/kuboyuka

石川善樹

いしかわ・よしき/予防医学研究者
広島県生まれ。東京大学医学部卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして研究している。専門分野は、行動科学、計算創造学、ヘルスコミュニケーション、統計解析等。ビジネスパーソン対象の講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『最後のダイエット』、『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス)。
東京大学研究員/国立がん研究センター研究員/G1サミットU40メンバー/(株)Campus for H共同創業者/(株)キャンサースキャン取締役/(株)ハビテック研究所長/有限会社日本ヘルスサイエンスセンター取締役/健康学習学会学会長
【著書】
・最後のダイエット(マガジンハウス)
・友だちの数で寿命はきまる (マガジンハウス)
・健康学習のすすめ-理論編(日本ヘルスサイエンスセンター)
【登壇】
・TEDxUTokyo「命のヒミツ:私たちの寿命に影響しているものは?!」
 The Secret of Life: What Really Makes Us Live Longer

http://qreators.jp/qreator/ishikawayoshiki

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