自分の人生を自由にするために、テクノロジーを使いこなす。本田直之×四角大輔

2015.12.12

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Apple Store 表参道で行われた本田直之氏と四角大輔氏によるトークライブ「TraveLife」。

6月に続き2回目の今回は、旅と人生の体験を豊かにするiPhoneやテクノロジーの活用方法に関してのトークセッションが行われました。

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どんどん移動が加速している(本田)

本田  今回は、僕らがどういう風に旅をやっているかとテクノロジーが旅をどう豊かにするかについて話したいと思っています。先日『TraveLife クリエイティブに生きるために旅から学んだ35の大切なこと』
って本を出したんだけど、俺も大輔もまさに旅をしながら生きていて……。僕は2007年から、1年をハワイと日本を中心に過ごすデュアルライフをやっています。大輔(四角大輔)は何年からだっけ?

四角  僕は2010年からですね。ニュージーランドと日本でのデュアルライフです。

本田  最初は、日本とハワイで半年ずつ過ごしていたんです。それが、今年どうだったかっていうと、ハワイが半年、日本3か月、ヨーロッパ2か月、あと1か月は大輔のいるニュージーランドやオーストラリア、アジアなどを旅して……。どんどん移動が加速しているなっていう。大輔はどうなのよ?

四角  結果として、2、3年遅れで、僕はなおさん(本田直之)の後を追いかけているところがあるんです。無意識なんですが(笑)。なおさんが、急にハワイと日本以外の所へ旅するようになったのもここ2、3年ですよね。それを僕は去年くらいからスタートして、今年、完全にそのモードに行っちゃったんですよ。ニュージーランドに7ヶ月間、日本に3ヶ月、他の国に2か月くらいという感じで。なおさんはいつも、かなり先まで予定を立てていますよね。

本田  もう来年の予定は立てています。

四角  さすが!僕は、レコード会社プロデューサー時代、アーティストのリリース計画を2〜3年先まで綿密にプラニングして、それに沿って自身のライフスタイルをデザインしていたので、7年前にレコード会社を辞めてから、その反動でほとんど計画を立てない生き方をしていたんです。が、久しぶりに来年の予定を立てたんです。なぜかっていうと、なおさんがいらっしゃる日本とハワイ以外、僕でいうと日本とニュージーランド以外の部分で旅のクオリティを上げようと思ったら、やっぱりちゃんとプランニングをしないといけないと、当たり前のことに気づいたんです(笑)。

本田  まあね。

四角  ベストな季節、音楽フェスなどのイベントに合わせて予定を立てたいなと……。ニュージーランドでは、自給自足ベースの生活をしていて、向こうの春から秋(日本では冬)にかけて、うちのオーガニックガーデンには、多種多様で大量の野菜や果物が実るんです。それもあって、僕の場合、ニュージーランドには絶対に半年以上は居たい。なおさんも、ハワイの半年っていうのは外せないですよね。

本田  まあね。でも、来年からちょっと変えようと思っていて。

四角  おー、本当ですか。ついに。

本田  日本の地方都市を旅してみたいと思って。だから、日本の東京とかの都市部を2か月くらいにして、地方都市を2か月くらい、トータル4か月くらいにして、その分、ハワイを5ヶ月くらいに減らそうかなと。

四角  なるほどー。なおさんは、どんどん変化し続けますね。

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やっぱAppleはすげーよ(本田)

本田  こうやって移動しながら生活が送れるようになったのには、テクノロジーの進化っていうのがものすごく大きいと感じていて。今は、旅しながら仕事ができているわけじゃないですか。それは、本当にすごいことだなと。最近、俺が2005年と2010年、2015年でデスクトップとノートパソコン、iPhoneを使ってどう仕事を割り振りしていたか思い返してみたんだけれども。2004年に会社を作った時は、仕事の8割をデスクトップでやっていたわけ。

四角  2005年ってiPhoneが出る前ですよね。

本田  そうだね。iPhoneが2007年にアメリカで発売されて、俺はハワイですぐに買った。その後、日本では2008年からソフトバンクがiPhone3Gを発売して。当時って、みなさん信じられないかもしれないけど、iPhoneでコピペができなかったんですよ。コピペできるようになったのは2010年くらいからですね。それで、2010年でどうなっていたかというと、デスクトップパソコンは使わなくなり、ノートパソコン7割、iPhone3割で仕事が出来るようになった。

四角  たしか、日本や全世界でMac Book Air(以下Air)を発売したのが2008年ですよね。

本田  それで、2010年でどうなっていたかというと、デスクトップパソコンは使わなくなり、ノートパソコン7割、iPhone3割で仕事が出来るようになった。

四角  わかります。

本田  もちろん、ちょっと原稿をチェックするとか、そういう作業にはノートパソコンが必要なのだけれども。ちなみに、俺は15インチのMac Book Pro(以下Pro)と12インチのMac Bookを両方持っていてProを家で、Mac Bookを外で使うんです。デスクトップパソコンの頃だったら、座っていなきゃいけないし、移動や旅をしながら仕事をするなんていうことはあり得なかったよね。
四角  うん。あり得なかったですね。僕も使う割合はほとんどなおさんと一緒です。今はMacBookを使っているんですが、凄いのが、11インチのAirよりも軽くなっているのにキーボードがAirより大きいんです。衝撃的ですよ。

本田  パソコン業界って斜陽産業なわけじゃないですか。そんな産業に、多くの企業が、キーボードを大きくするとかの新しいテクノロジーを駆使しようとしない。だって、そこを改善してもマーケットはないから。でも、キーボードを大きくするっていうのは、やっぱAppleはすげーよ。

四角  iPhoneは、パソコンに比べると、とても軽くてコンパクト。すぐ手に取れるし、気軽なフリック入力などの利点がある。同じ作業でもiPhoneで行う時は、気分が上がるというか発想がやわらかくなる感じがするんです。なので、iPhoneでの仕事の割合をより増やしたいと思って、先日、iPhone6S Plusを買ったんですよ。iPhone6より大きくて、重いぶん、画面がでかくて、フリック入力も数倍やりやすく快適。それで今、一番欲しいのがAppleWatch 。「iPhone6S Plusとはベストコンビネーションになると思う」と、友人の20歳のデジタルネイティブに言ったら「今頃気づいたんですか」って言われました(笑)

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自分のライフスタイルの質をより高めるための工夫(四角)

本田  どう使えるようになるか、使い倒すかだよね。いろんな人のiPhoneの使い方を見ていると、もったいない使い方をしているって思うことない?

四角  たしかに、思うことが多いですね。

本田  たとえば、フリック入力。本気で旅をしながら仕事するためには、入力速度も重要なんですよ。昔、ガラケーだった頃は、どんなにがんばっても速く打てなかった……。

四角  「お」を入力するのに5回も押さないといけなかったですもんね。

本田  それがフリック入力だとふっと1回で入力できるじゃない。一週間くらい練習して覚えましたよ。だってもったいないもん。今は女子高生並みに使いこなせる。

四角  僕も、よく入力している姿が女子高生みたいに速いねってバカにされるんですが……。これは、自分のライフスタイルの質をより高めるための、単なる工夫なんですよね。

本田  あと、入力を速くするためにユーザー辞書登録をする。

四角  あ、それ。僕もやっています。

本田  たとえば、登録しておくと「あ」と入力するだけで「ありがとうございました」が出てくる。やってない人はもったいないと思う。人生、より楽になりますよ。他にも「じゅ」って入れると、日本の住所が出てくるようにしたり。

四角  まったく同じです。ちなみに僕は「よ」と入れると四角大輔。「よすみ」と入れても「四角」と変換が出ないんですよ。それが悔しいから(笑)

本田  ちょっとしたことなのだけど、旅をしながら仕事するってさ。入力作業がめんどくさかったら仕事にならないんだよね。

四角  そうですよね。本当、僕が学生だった20年くらい前には、移動しながら生活するなんていうのは、著名な小説家みたいな「10万人に1人レベル」の才能を持っている人か、億万長者しかできませんでしたから……。

本田  そうだね。それが、テクノロジーの進化、インターネットとデバイスの両方が進化していくことによって、俺らみたいな人間でもできるようになったんですよ。

四角  それをできるようになったのは、僕らが10年くらい、テクノロジーの勉強やトレーニングをやってきた結果でもありますよね。

本田  まあ、そうだね。やるかやらないかで、ライフスタイルっていうのも変わるんだなって。iPhoneの場合は、まだ使いにくい時からあえて使うようにしていたし。試しにやってみる。実験してみる。そういうことが必要じゃないかなって思うんだよね。

四角  僕も、初めてiPhoneを触った時、デザインやインターフェースなど総合的な「感触」に魅せられたんです。初期のiPhoneって、処理速度は遅く、機能面でもまだまだで、効率的なデバイスでは決してなかった。でも、使っていて気持ちが高揚するんです。結果、僕のクリエイティビティも仕事のパフォーマンスも上昇したんですよ。それで、少々不便でも使い続けてみようと。そして、僕も試してみたわけです。

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今の人は本当にラッキーなんです(四角)

本田  人生って壮大な実験だと思っていて。振り返ってみるとさ。なんか実験し続けている感じする。ディアルライフを始めた頃もそうで、もちろん準備はしっかりしていたけど、参考になる人もいないし、どうなるかわかんないけどやってみるしかないって感じで。

四角  僕もなおさんも、ディアルライフの準備に15年近くかかったんです。でも、たぶん今はテクノロジーの進歩のおかげでもっと短期間で出来ると思うんです。よく、「ノマドライフやデュアルライフって、どうやったらできるんですか」って聞かれることが多いんですが、ある意味、いかにテクノロジーを自由自在に使いこなすかっていうところに尽きるのかなって。あとはもう実験ですよね。

本田  そうだね。あとコストもかからなくなってきている。昔は、旅行にもお金かかるし、通信コストも高かった。

四角  今の人は本当にラッキーなんですよ。だから、挑戦しないことには本当に意味がないというか。

本田  いい時代だよね。最近、これから10年後、どうなるかなと考えるんだけど。すごいことになっているんじゃないかな。

四角  想像がつかないですよね。

本田  キーボードがなくなるんじゃないかな。俺、「Siri(Apple社の音声認識ソフト)」を舐めていたんだけどさ、使ってみるとめちゃめちゃ賢いし。

四角  めちゃめちゃ賢いですよね。フリック入力の次が、たぶん音声で、それこそこれから「Siri」が進化し続けたら、完全にキーボードがいらなくなりますよね。

本田  そうするとまたさ、すごいことになるでしょ。歩きながらぶつぶつ喋っているだけで仕事になっているとか。そんなことが起こるんじゃないかなって。

四角  本当、そうですね。

本田  あと、本当にすごいのが、自動の音声翻訳。今、「Skype」が同時通訳機能じゃないけど逐一通訳するっていうことをやっていて、意外に使えるみたい。あとは、「Word Lens」っていうアプリ。これはGoogleが買ったんだけど、外国語の看板にかざすと、画面上で翻訳される。あと10年くらいしたら、たぶん語学力もいらないんじゃないか。

四角  旅先で、使うインターネット、デバイス、そして最後にアプリだと思うんですよ。僕らにとっては、iPhoneアプリは生活に不可欠な存在なので、特に工夫しますよね。なおさんの今のおすすめアプリは何ですか。

本田 なくては生きていけないアプリがいくつかありましてね。まず、「Tripit」というアプリです。これは飛行機やホテルを予約するとそのメールを取り入れてくれて、予定表を作ってくれる。それに、飛行機が遅れているとかも自動で取ってきて教えてくれるし、ホテルを予約すると住所も吸い上げて、しかも、飛行機とホテルの経路までGPSを使って自動的に教えてくれる。

四角 すごいですねそれ。

本田 あとは、俺は何人かで旅することが多いんだけど、割り勘にするのが面倒なわけ。それで、元々はシェアハウスに住む人向けにあった「Splitwise」っていうアプリを使っている。これを関係者が全員入れておいて、誰が払ったという風に入れると、自動的に計算してくれて。大輔は写真のアプリが多いよね?

四角 そうですね。写真は、僕の仕事において重要なコンテンツですから。ニュージーランドで大自然の中で暮らしていたり、一週間以上かけて山や森を冒険したり、世界中の絶景ポイントを訪れるので、そういった美しい景色を、いかにきれいに撮るかという点で、カメラや加工アプリは、実験的に色々試してきたんです。撮影に関しては、カメラ性能が上がったiPhone6くらいから、iPhoneがメインになりましたね。カメラアプリや編集アプリも、いろんなタイプを使っていたんですが、最近はiPhoneデフォルトのカメラアプリの機能が、撮影面でも加工面でも、めちゃめちゃ良くなったので、それ一つだけを使うようになりました。

本田 そうなんだよね。俺も驚いている。写真を選んで、編集っていうボタン押すといろいろ出てきて。写真編集のアプリを使うと不自然になったりするんだけど、デフォルトだと自然に出来る。新しいのが出ると、Appleのトレーニングを受けに行くんだけど、それでデフォルトのアプリでの編集もレベルアップしてもらっています。

四角 なおさん、トレーニングに行くんですね。

本田 だって、その方が機能を知るには早いじゃん。ホームページや「AppleStore」っていうアプリで簡単に予約もできるし。

四角 あとは、マップですね。「GoogleMap」って便利で皆さん使うと思うんですけど、歩いて、町を散策するのにはね、iPhoneのデフォルトマップの方がめちゃめちゃ機能高いですね。自分の位置や方向のズレが少ないんです。

本田 この前、大輔に言われて、早速使ってみたら全然違う。試してみないと分かんないよね。あとは、SNSについても、最近「Facebook」じゃないって思うんだよね。

四角 僕もそう思いますね。わかります。

本田 「Instagram」じゃないかと思っていて。世界中でコミュニケーション取りやすいし、写真ベースだから、「Facebook」みたいにこまめにチェックする必要もないし。俺が使い始めたのは「Instagram」ができたばっかりの頃だったんだけど、「Facebook」を使って放置していたら……。

四角 放置して気づいたら超盛り上がっていた(笑)出始めた2010年頃には、なおさんと2人で研究して、分析とかもして、使い倒していたのに……。

本田 「Instagram」はやるかやらないかは別にして、とりあえずインストールして、どういうことが起こっているのか見たほうがいいと思いますね。ちなみに僕のアカウントは 「naohawaii」 です。旅と猫ネタをメインにやっています。

四角 僕のアカウントは「4dsk」です。旅やライフスタイルをメインに、あとは自分のメモ代わりとしても使っています。「Facebook」だと自動で付く位置情報が、「記事を投稿する場所」になってしまうことが多いんですけど、「Instagram」だと「実際に撮影した場所」になるので、お気に入りの場所など把握しやすいんですよ。

本田 やっぱり、こういったテクノロジーをどう使うか、どう自分の人生をより豊かで自由にするかだよね。自分を自由にしてくれるためにテクノロジーを使いこなすという意味において、いろんなもので実験して、試しにやってみる。

四角 そうですね。テクノロジーってそもそも人間をより幸せに、自由にするためにあると思っていて。だから僕は徹底的に使いこなしたい。友人が「テクノロジーは人間の能力を拡張するために存在する」って言っていたんですが、まさにそうだなと。散々、オタク的な話をしてきましたけど、使いこなすことで旅がより軽快で自由になれます。そして旅そのものが、ライフスタイルを本当に自由にしてくれると、僕は信じています。

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両氏のApple熱が会場を包み込み、終始笑いと驚きの声が絶えないトークセッション。

自分のライフスタイルやテクノロジーとの向き合い方を考える参考にしてみてはいかがでしょうか。

Interview/Text: 中田正
Photo: 栗原 洋平

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四角大輔

よすみ・だいすけ/アーティストインキュベーター/執筆家/ライフスタイルデザイナー
1970年、大阪生まれ。95年、ソニーミュージックに入社し、2004年にワーナーミュージックにヘッドハントされる。約10年間、プロデューサーとして絢香、Superfly、平井堅、CHEMISTRYなど10数組のアーティストを手掛け、20回のオリコン1位、7度のミリオンセールスを創出。2010年、学生時代からの夢だったニュージーランドに移住し、約半年間のキャンプ場生活の末、原生林に囲まれた湖畔の一軒家で森の生活を開始。現在は大自然(NZ)と「都市空間(TOKYO)という両極端な二拠点を往来するグローバルノマドとして、独自のクリエイティブ論とオーガニック思想を発信。5つの連載を抱え、著書にベストセラーとなった『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)など。
釣り誌・登山誌・アウドドア誌にも連載を持ち、釣り・登山活動は極めて本格的である。

http://qreators.jp/qreator/yosumidaisuke

本田直之

ほんだ・なおゆき/レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長
ハワイ、東京に拠点を構え、年の半分をハワイ、3ヶ月を日本、2ヶ月をヨーロッパ、1ヶ月をオセアニア・アジア等の国を旅しながら、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。これまで訪れた国は50ヶ国を超え、毎日のように屋台から三ツ星レストランまでの食を極め、サーフィンやトライアスロンを楽しむ生活をしている。
著書に、16地域を旅しローカルでクリエイティブに暮らす人や企業・自治体31にインタビューした『脱東京』や、クリエイティブに生きるために旅から学んだ35の大切なことを紹介する『TraveLife』、ミシュラン三つ星シェフをはじめフランス、イタリア、スペインなど15人に取材をして、シェフ達の哲学について書いた『なぜ日本人シェフは世界で勝負できたのか』、デュアルライフを送る自らの体験による深いハワイを楽しむためのノウハウ集『新しいハワイ』等がある。著書累計250万部を突破し、韓国・台湾・中国で翻訳版なども多数発売。
サンダーバード国際経営大学院経営学修士(MBA)
明治大学商学部産業経営学科卒
(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイサー
アカデミー・デュ・ヴァン講師
明治大学・上智大学非常勤講師

http://qreators.jp/qreator/hondanaoyuki

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