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舞台「人狼TLPT」の魅力。そこには、再現できない“命”の物語があった。

2015.12.22

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とある小さな村に、断末魔が響く。村人の中に、“人狼”が紛れ込んだのである。村人に紛れ込み、殺戮を繰り返す人狼。しかし、村人は誰が人狼なのか知ることは出来ない。疑心暗鬼にかられ、泣き叫ぶ村人達。人狼を滅ぼす方法はただひとつ。村人全員で話し合い、一番疑わしきものを“処刑”すること。かくして悲壮な心理戦が幕を開けた。勝つのは人か、人狼か

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一度きりしか見ることの出来ない。悲しい物語の幕開け。



舞台『人狼 ザ・ライブプレイングシアター』(人狼TLPT)は13名いる各プレイヤーが割り振られた役柄を元に、アドリブで繋いでいく今までにないライブアクトです。
出演者がルールで使用するのは人気のゲーム“人狼”。脚本は用意されておらず、開演直前に13枚のカードで決定した役割に応じて即興でバトルを繰り広げます。
今回は「人狼TLPT」に出演されている“団長ダンカン役”の池永英介さん、“自由人メイソン役”の石井由多加さん、“葬儀屋ソール役”のウチクリ内倉さんに舞台「人狼TLPT」の魅力を伺いました。

池永:人狼は突き詰めていくとロジカルなゲームなんです。でも、舞台で生身の人間がやると、ロジック的にはこいつが絶対“人狼”だと思っても「あれ?もしかしたら違うのかな?」と思ってしまう瞬間があるんです。ロジックを超えた熱意とか表情とか、“人狼”とは思えない瞬間があるんですよ。舞台での人狼は、ゲームを超えたところに正解があるのが魅力ですね。

石井:池永さんが、魅力についてほとんど話してしまったけど、この舞台は毎日内容が違うところがあるので、そこがスポーツ観戦に似ているなと思っています。結末のわからないストーリーだから何度でも楽しめる。もう一つの魅力は、演者の“素”が見えることです。通常の舞台だと素を見せてはダメだけど、演者、その人自体が持っている「人間味」が見えるのも魅力ですね。もしかしたら、それも演技かもしれないので、お客さんも“人狼”を当てにいく楽しみがあります。ある意味、お客さんと演者との駆け引きが楽しめることも魅力の一つかもしれません。

内倉:とにかく同じステージが全くないところですね。今まで何百ステージをやっていますが、今日見たステージは明日にはもう見れないんですよ。その中には神回と言われるお客さんも演者も認める回があるんですけど、その回を同じようにやれっ!!て言われても出来ないんですよ。アドリブで進んでいくので、予想出来ないとこでドラマが起こってしまうからなんですよね、そういったところが魅力ですね。

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命を賭けた戦いだから、そこにはドラマがある。総合プロデューサー桜庭未那。


―なぜ「人狼TLPT」を開催したのか、そのキッカケとは?

桜庭:人狼との出会いは、10数年前に仕事仲間から、人狼ゲームって面白いゲームがあるよって教えてもらったのが知るキッカケです。このゲームって色んなルールがあったり、自らルールを作るとこが楽しくて周りでは流行っていたんです。でも、いまいち世間に浸透していないなと思っていたんですよ。

役者さんが本気で人狼ゲームを物語としてやったら、見るだけでも楽しいはずだと思っていたんですね。でも、その一方で人狼ゲームって難しいなと思っている人が多い。だから、人狼をやる壁を取り払いたかったという気持ちはありますね。
だから、人狼ゲームの魅力を世の中に伝えたいと思って会社に企画をだしたんです。人狼ゲームって命を懸けた戦いがあるからこそ、ドラマがあるはずだと思って。でも、却下されてしまいました。人がゲームしているとこを見て何が楽しいの?って。だけど、どうしても今やりたいと思って2か月後には自腹で開催していましたね。

理想とする人狼がここにあった。

児玉:その最初の公演から僕も関わったのですが、その時すでに僕は人狼のイベントを開催していて商業的に活動していたんですね。
そして、桜庭さんから声を掛けてもらった時は、出張ゲームマスターのようなルール説明と、どういうルールを設定すると人狼ゲームとして大丈夫だよとアドバイスをするだけの予定だったんです。

でも、舞台での人狼の世界観は僕の理想とするものにとても近かった。僕は人狼はいっぱいやっていくとどんどん凝り固まっていくと感じていたんですよ。自分の中でセオリーなどがきまってしまったり。でも、「人狼TLPT」にはそれが通用しない仕掛けがあったんです。だから僕も監修という立場でやってみようと思ったんです。

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理想とする人狼がここにあった。監修:児玉健


―原点に立ち返るのですが、「人狼TLPT」の魅力はどこにあると感じていますか?

桜庭:昔、人狼ゲームをやっていて疑問だったのが、皆“命”をぞんざいに扱っているなというトコロだったんです。能力者ではない普通の村人の人が、「私、能力ないんで死んでいいですよ」とよく言っていて。いやいや、命がかかっているのに死んではダメでしょうと何故か私は思っていて。能力者だろうが、能力なかろうが、人狼だろうが、命を扱っているから命は大切じゃないですか。大切なものを守ろうとするから、そこにはドラマが生まれる。その大切な部分を表現することがお芝居で大事な部分だと思っていますね。

また、“参加型”というところにもスゴイ拘っていて「人狼TLPT」でも、お客さんに解答用紙配って、正解したらプレゼントすることによって、お客さんも推理を一緒に楽しむことができるようにしています。また、ルールを理解してもらいたいという思いから、最初の方で死んで退場したキャストも、その後出てきて話す時間を作っています。見ながらルールをより深く理解したり、演者に感情移入ができたりするのが「人狼TLPT」の魅力でもありますね。

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舞台の外でも新たな物語が始まる。


児玉:人狼ゲームは同じルールだけど、毎回展開が変わる。
前回は人間だった、今回は人狼だったと。これだけでもゲームが変わってしまう。この非連続性こそが一番の魅力であり、その究極がこの舞台の「人狼TLPT」だと思うんですよ。

桜庭:あと、お客様同士の交友が増えているそうです。

児玉:そうそう見に行った人同士で喋ることがいっぱいあるんですよ。台本がある訳ではないから、「人狼TLPT」は全部結末が違う。だから、あの時はこうだったよね、私昨日見たけどこうだったよとか、話せるのは楽しいですよね。そういった意図していなかった部分で新しい会話がうまれるのはとてもうれしいことです。

桜庭:人狼ゲームって日常の縮図でもあるんです。やってる事が多数決と説得なので。でも、多数決が絶対な正義かと言われれば、多数決は正義ではないんですよ。正しくもないし。ある意味理不尽さがあるから、そこがドラマに通じていて、お客様との共感する部分があり、身近に感じるところも面白いですよね。

児玉:最初の舞台の最終公演の時は役者陣に人狼を教えてから1週間後だったんです。
でも、みんながそれぞれ報告してくる訳ですよ。今日は死んじゃったけど俺の2公演目を見に来てほしかったんですよとか、私は3公演目で預言者となって最後まで人狼を当て続けたんですよとか、全員が全員、自分のストーリーを持っている。
これって、毎日見に行かないといけないなぁと思いましたね。同じものが作れないからこそ、何度でも楽しめることが「人狼TLPT」の魅力の一つだと思いました。

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「人狼TLPT」は次のステージへ。


―人狼がさらに世に知ってもらうためにどういうことを仕掛けていく予定ですか?

桜庭:村だけではなく、宇宙船、新選組バージョンなど、まだ見たことのない人が見やすいかたちをいろいろ探っていますね。あと既存コンテンツ、漫画とかアニメ・ゲーム・ライトノベルとかのコラボも考えていますね。

児玉:人狼はデカいところで、年一回しかやらないではなく、何回もやるからこそ、色んなストーリーが生まれて、また次に見たくなるものだと思っているので、難しいことですけど、まずは継続していくことで、今後に繋がっていくと思っています。

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今回公演の「人狼TLPT」では?

博多リバレインホールで2015年12月22日(火)〜12月27日(日)まで開催される「人狼TLPT」
主催として名前が載っているのは堀江貴文!!実業家としての頭脳がどのように人狼とコラボしていくのか?
当日券の販売やネットでの生配信など今からでも公演を見られるチャンスはあるのでこの機会にぜひご覧になっては!
http://7th-castle.com/jinrou/perform.php?
最後まで何が起こるかは分からない舞台「人狼TLPT」。博多の地で生き残るのは、人間なのかそれとも人狼か。

Interview/Text: 内田雄介

児玉健

こだま・たけし/プロけん玉パフォーマー/人狼ゲームマスター
1980年大阪府生まれ。リクルート系不動産会社を退社後、仕事を遊びに、遊びを仕事にするべく活動開始。大人がリアルに遊べるゲームスペース「ドイツゲームスペース@Shibuya」「人狼ルーム@Shibuya」を経営。また、舞台「人狼ザ・ライブプレイングシアター」のゲームアドバイザー、TBSテレビ番組「ジンロリアン~人狼~」やカードゲーム「はじめての人狼」の監修、リアルイベント「アルティメット人狼」「大人狼村」などを主催。
また、けん玉パフォーマンスコンビZOOMADANKEとして、年間100ステージを超えるパフォーマンスを行う。ハワイ、ブラジル、ミラノ、台湾、マレーシアなどでパフォーマンスを行い、日本だけでなく世界からも高く評価され、活動のフィールドを拡大中。NHK、Eテレ「ニャンちゅうワールド放送局」でけん玉侍としても出演中。

http://qreators.jp/qreator/kodamatakeshi

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