QREATORS

累計再生回数1,000万回以上の大ヒット!制作者が語るYouTubeアニメ 「モンスターストライク」の魅力

2015.12.01

Mixi

10月10日の初回配信から約1か月経ち、11月17日時点で公開されている第1話~第7話の累計再生回数が1,000万回を超えるアニメ「モンスターストライク」。
そんなモンストアニメのストーリー・プロジェクト構成担当のイシイジロウ氏と、株式会社ミクシィの取締役でありXFLAG™スタジオ 総監督でもある木村弘毅氏にアニメ「モンスターストライク」に込める想いと魅力を語っていただきました。

Animerogo
モンストのアプリをブランドにするためのアニメ

―「モンスターストライク」のアニメ化に至るいきさつや、イシイさんがストーリーを担当することになったきっかけを教えてください。

イシイ もともと僕の中に、スマートフォンのゲームアプリとアニメーションの連携について「こういうものをやってみたいな」というプランがありました。ただ、その時はまだモンストという具体的な作品についての考えではなく、イメージとして持っていた感じです。
でも去年、ある方の紹介で木村さんと知り合って、木村さんがモンストというアプリのメディアミックスで、3DSやアニメ化を考えていると仰っていて、するならどうするかという話が出て、僕が考えていたプランを伝えました。そうしたら木村さんが「それ面白そうだね」ってノってくれて(笑)。

もう1つ、今回の形になった理由を語るとすれば、ニンテンドー3DS™とアニメの連携では妖怪ウォッチが大当たりしている。
そこに対抗するためには別の手段を取らなければならない。それなら何をアニメと連携させるべきかと考えた時に、アプリがあるじゃないかって思ったんです。まだアプリとアニメーションを連携させた作品の成功例はないから、僕らでやってみませんか?って。

木村 モンストってかなり特異なゲームなんです。これまでのように一人一人が個々別々に遊ぶんじゃなくて、スマートフォンを持ち寄って友達と一緒に遊ぶという新しい形のアプリゲームなんです。
だからメディアミックス展開にあたっても単にアニメ化するだけではなくて、もっとみんなで集まって楽しめる面白い試みをしたかったんです。
スマホゲームをやらない人たちでも、アニメという入り口を作ることで、アプリや、“モンスト”という存在そのもの目を向けて、集まって遊ぶことにハマっていってもらえるような仕掛けを。そんな話がイシイさんとは最初からできたので、「この人とやっていって間違いないな」って思えたんです。

イシイ 私も今回のアニメプロジェクトは「モンストのアプリをブランドにするためのアニメ」と考えています。アプリをアプリの中で終らせるのではなく、もっと「ガンダム」や「スターウォーズ」のようにブランドとして確立させる。
そのための”メディアミックス”で、そのための”アニメ”にしようと木村さんと意見が一致しました。

木村 アプリ原作のアニメでも既に魅力的な作品はいくつもありますが、もっと深くアニメとアプリを連携させていくことによって、新しい体験をユーザーに届けることができるし、新しいブランドが作れるはずと思っています。

Happyoukai
ゲームやアニメの境界線がない「モンスト」

―既存の「アプリとアニメ」とは違った連動を目指されているのですね。12月17日発売のニンテンドー3DS版モンスターストライクにはアニメと同じ世界観のストーリーが収録されるとのことですが、3DSとアニメの連携にも何か特別な仕掛けや意図があるのでしょうか?

イシイ 3DS版はアニメと同じ世界観のストーリーではあるものの、もちろん違う部分も持たせています。だから3DS版でストーリーを知ったからアニメを見なくていいっていう風にはならないんです。

木村 あまりしゃべるとネタバレになっちゃうんですが、3DS版の方が少しコミカルな感じなのでアニメとは異なる体験ができるかなって思います。

イシイ 実はモンストにおいてのメディアミックスっていうのは「3DS版とアニメ」ではなく、あくまでアプリが真ん中にあって、「3DS版とアプリ」であり「アニメとアプリ」であるんです。
3DS版は3DSは持っているけど、スマートフォンを持っていない子供たちでも遊べる媒体なんです。スマートフォンだと親に借りたりしないとプレイできないじゃないですか。そこで3DS版で楽しんでいただいて、中高校生になったら自分のスマートフォンで本来のアプリ版を楽しんでもらいたい。

次に、アプリとアニメの連動施策として、今まさにアニメで見たバトルシーンを、手元のアプリで体験できる仕掛けを入れています。アニメに出てきた言葉でモンスターを手に入れて、アニメでやっているのと同じステージをアプリで遊べる。
この連動こそ、1年前、この話が出始めた頃に僕らが夢見てたものなんです。まだ誰もやっていない初めての試みですよね。そしてこれをモンストっていうNO.1アプリゲームでやっちゃうとろこが木村さんのすごいとこだなって思います。
新しい試みな分、手間ひまはとてもかかります。まったく新規の作品ならそれくらいするかもしれないけど、既にネームバリューがある作品。普通にアニメを作っても人気が出るはずの作品で、あえてこういう試みをしてしまうところがすごいですよ。

Anime cap

―木村さんとしては、他の作品ではなくあえて「モンスト」という作品でこの連携を実現させたことに理由はあるのでしょうか?

木村 基本的にはお客様にとって何が一番楽しい体験なのかというところに尽きます。
日本国内で2,500万以上のモンストユーザーがいますが、僕らがこのたくさんのユーザーに提供している価値は「ゲーム」というより「遊び場」なんです。
友達と集まって遊ぶ時間や空間をどれだけリッチにできるかが僕らのミッションだと考えています。例えば、「エヴァンゲリオン」とのコラボでは作中の音楽を使用していますが、エヴァンゲリオンに自分が乗って使徒と戦っている感覚を作り、みんなで集まってアニメを追体験しているようなリッチな時間を味わってもらえたと思っています。

今回のアニメ化も、どれだけユーザーを盛り上げられるかが主題です。1話目の配信日には2周年イベントで2話連続で流しました。
その時もリアルタイムでアニメとアプリが連動しているのを楽しんでもらいつつ、さらに動画のコメント機能で楽しさを共有してもらいました。
そういうみんなで集まってリッチな時間や空間を一番作れるのがモンストという作品なんです。「ゲーム」とか「アニメ」の境界線がなく、「モンストのアプリ」も「モンストのアニメ」も全てひっくるめて、モンストという遊び場にしたいんです。

Eva korabo gamen
テレビではなくYouTubeでの配信を決めた理由

―YouTubeを配信メディアに選んだのも新しい形にこだわった結果でしょうか?

木村 YouTubeを選んだのはいくつか理由があります。
まず、YouTubeを見ていない子供はほぼいない時代であるということ。それから、僕らが作っている攻略動画をYouTubeで配信していますが、これがものすごく視聴されていて、「モンスターストライク=YouTube」という図式が成り立っているということ。
さらに、「遊び場」としてのアニメであれば、テレビだとリアクションが取りづらいけれど、YouTubeならコメントを書き込んだり読んだりして発信できますし、友達と一緒に視聴している時にちょっと一時停止して「ここどうなってんの?」って謎解きしたりできる。
そうやっていじってもらうにはYouTubeが一番良いと思ったんです。まあテレビではやらないという選択は勇気がいりましたが(笑)。

イシイ テレビはやっぱりブランド力が大きいですから。
でも、クリエイターとしてもYouTubeならではの利点があるんです。YouTubeってユーザーのリアクションや反応をダイレクトに作り手が受け取れて、すぐに分析できちゃうんですよ。
この時間帯にはこのくらいの年齢層の人がこれだけ視聴していた、とかこんな反応があったとか。それこそモンストに限らず、配信者なら誰でもすぐに分析できちゃう。それってクリエイターにとってはすごく怖いことでもあります。ストーリーのこの部分で視聴が落ちるとか、反応が悪いとかが分かるから(笑)。

でもそこで挫けずに、「じゃあもっとこうしよう」ってあの手この手で作り方を変えていけるのがこのモンストアニメの魅力だなって僕は思います。クリエイターがユーザーと向かい合って、色んなことを変更して対応していく新時代のアニメ、これが僕らの作りたかったものなんです。

Xflaglogo
“XFLAG”ランドという新時代の遊び場

―新時代のアニメを今まさにお二人でスタートさせているんですね。では最後に、今までにない新しいアニメを作り、子供たちの新しいコミュニケーションの形を作っているお二方のこれからの展望や意図、そして「XFLAG」の今後の展開などをお聞かせください。

イシイ モンストアニメを通して、友達との新しい遊び方を定着させていけるんじゃないかと思っています。アニメが始まって3DSのゲームも発売されるけど、さらにもっと他のメディアミックスだってありえると思います。
今度はもしかしたら、もっとアナログな媒体かもしれない(笑)。XFLAGさんはこれだけ成功しているのに成功体験にしがみつくってことがない。常にもっと面白いもの、もっと新しいものを求める攻めの姿勢なのが素晴らしいと思います。

木村 “XFLAG”のスタジオとしてのミッションは「家族や友達とわいわい楽しめるアドレナリン全開のバトルコンテンツの提供」です。
例えばテーマパークのような“XFLAGランド”という遊び場があって、そこにモンストエリアがあって、その中にアニメというシアタータイプのアトラクションがあったり、ゲームというプレイングタイプのアトラクションがあったり、もっとさらに別のメディア展開もできるかもしれない。そういう広義の意味での遊び場をどんどん作っていきたいと思っています。

―そんなアニメ モンスターストライクを制作するXFLAGは、新作アプリである『ブラックナイトストライカーズ』の提供を準備していると発表。3人協力プレイや、競争要素があるなど、こちらもどのように〝新たなコミュニケーションの場〟を生み出していくのか目が離せません。

Interview/Text: 藤井 ちひろ
Photo: ©mixi, Inc. All rights reserved. ©カラー

木村 弘毅

きむら こうき/株式会社ミクシィ 取締役/エックスフラッグスタジオ 総監督。
2008年株式会社ミクシィに入社。
ゲーム事業部にて「サンシャイン牧場」など多くのコミュニケーションゲームの企画を担当。
その後、モンスターストライクプロジェクトを立ち上げる。
2015年1月、執行役員に就任。
2015年6月より、取締役。

イシイジロウ

いしいじろう/ゲームクリエイター/原作・脚本家
1967年生まれ。日経映像(1994年入社)、チュンソフト(2000年入社)、レベルファイブ(2010年入社)を経て2015年に株式会社ストーリーテリング設立。
2014年。原作を提供したインディーズアニメ「UNDER THE DOG」が米国クラウドファンディング”キックスターター”のアニメーションジャンルにて世界最多の出資金額を集める。
2015年。アニメシリーズ/3DS版『モンスターストライク』 のストーリー・プロジェクト構成を担当する。
2016年1月より放映されるTVアニメ『ブブキ・ブランキ』にシリーズ構成・脚本(北島行徳氏と共同)として参加する事が発表されている。
代表作は『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』(監督/チュンソフト)、『428~封鎖された渋谷で~』(総監督/チュンソフト)、『TRICK×LOGIC』(企画・プロデューサー/チュンソフト)、『タイムトラベラーズ』(ディラクター/レベルファイブ)など

http://qreators.jp/qreator/ishiijiro

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