自宅を長居したくなる空間へ!デザイナーズインテリアショップ・リグナ代表のライフスタイル術

2015.11.25

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素敵な椅子を一脚買ったら会社が何倍にも大きくなった実例があると話す、リグナ株式会社の代表取締役社長 小澤良介氏。今月、著書『なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?——人生を好転させる「空間」の活かし方』。を出版したばかりの小澤氏のご自宅にお邪魔して、仕事も生活も変えるライフスタイル術を伺いました。

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自宅のコンセプトは1分でも長居したくなる空間

————ご自宅やお仕事で使うインテリアは、どんな基準で選んでいるのですか?

小澤 どれだけ1分でも長居したくなる空間をつくるか、ですね。この部屋も目新しいもの、オシャレなものが目に入ると思うんですが、ここに遊びにきた人がもうちょっとここでくつろいでいたいなと感じるような空間を心がけているんです。

たとえば、このソファ。なぜこんなに低いかっていうと、結局ソファから降りて、カーペットに座るから。ホームパーティなんかするとソファにもたれて、そうなるでしょ。日本人って床に座りたがるんですよ。
そして、座った時の視界にも気をつけています。ソファからダイニングチェアの脚が視界に入りますよね。そこに鉄の脚のような、足元を思わせる要素があると、人は床に座ることを不衛生に感じてしまうんです。だから、このダイニングセットはあえてダイニングらしくないものを選びました。
また、床に座ってくつろぐことを想定しているから、物件を探すときもフローリングのマンションにはしません。みんなマンションを探すときはフローリング限定のボタンにチェックを入れて探すでしょう。僕はカーペットのボタンがほしいくらいです。もしカーペットボタンがあったら、確実にチェックを入れますね。

————お手本や参考にしているインテリアはありますか?

小澤 特定の場所はありませんが、カッコいいと言われているホテルやレストランには行きますね。インテリアの勉強をするというとインテリアショップに行きがちですが、新しい感覚をとりいれているレストランやホテルに行った方がいい。いい空間に身をおいて体験することが大事です。空間の演出って見た目だけじゃないことが分かるはずです。
たとえば、この家に入ってきたとき、香りがしませんでしたか?

————はい。いい香りがしました。

小澤 僕は日常的にアロマを使う習慣があるので、その香りが部屋についているんです。他人の家を訪問してまず初めに感じるものって、実は「におい」なんです。どれだけセンスのいいインテリアでも部屋が臭かったら台無しでしょう。その第一印象になぜ気をつけないのか。
本には他にもいくつか書きましたが、そういうちょっとしたことを気にかけるだけで生活の質はあがるんですよ。

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椅子を買うことが人生を変えるきっかけとなる

————書籍にはインテリアをアドバイスしたことで会社の業績が伸びたIT企業の社長のエピソードがありますよね。

小澤 自分の過ごす空間に気を遣うようになって、生活が変わるどころか会社の規模まで飛躍的に大きくなったという話ですね。
どんなことでも人生を変えるきっかけにはなり得ますが、空間を変えると人生が変わっていくのが目に見えて分かりますよ。

————空間を変えるというと何から始めたらいいのでしょうか?

小澤 まず自分の帰る場所をきれいにして、素敵な空間での生活を体感してみてください。部屋を整理整頓して無駄なものを捨てて、においを変えるだけで随分違いますし、芋づる式にもっと空間をよくしたいと思えるはずです。
一気に部屋を変えるのは難しくても段階を踏むことはできるでしょう。何の変哲もないダサい部屋に、まず一脚お気に入りの椅子を置いたらどうでしょうか。そうしたら、その椅子に合わせて周りもジワジワ変わっていきます。

————どんな椅子がいいんでしょう?

小澤 空間を変えるきっかけにするなら、自分が好きな椅子で、それなりのものがいいでしょうね。値段も3〜5万円ぐらいするような。
家具を一気に揃えるのは、そう簡単ではないかもしれません。だけど、少しずつ揃えることはできるはず。毎月、洋服を買っていたお金をちょっと自分が過ごす空間にも使ってみたらどうでしょう。
いくら着飾っても、他人の服なんて意外と見てないものです。彼氏・彼女だって、前のデートで何を着ていたかなんて覚えてないでしょう。

————小澤さんの好きな椅子は?

小澤 僕が惚れ込んだのはCREER Dining Arm Chair(クレールダイニングアームチェア)ですね。『リグナ社長が一番好きなイス!』でリグナのサイトにも出ています。
この椅子は素晴らしいです。最高にカッコいい。デザインだけでなく座り心地もいいんですよ。今ここでは語り尽くせないストーリーもあって、なんだかんだで今は一番好きなイスになっていますね。
良い椅子はいくらでもありますから。まずは、ご自身のベストチェアを探してみることをおすすめします。

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未来のパートナーを喜ばせることにお金を使おう

小澤 そう言いながら僕もファッションは好きなので、つい買っちゃうこともありますよ。でも、ファッションははかない。せっかく高いお金を払って買った服も来年は着ないかもしれないんですから。お金の使い先として、それが将来どれほど活きる可能性があるかということを考えないといけない。
たとえば、今日買ったニットが将来、パートナーの役に立つと思いますか? でも、今日椅子を買ったら、将来パートナーがその椅子に座って「これ、いいね」って言うことがあるかもしれない。居心地のいい場所をパートナーに提供できる可能性があるんです。
さらに、その椅子を子どもが使うかもしれない。子どもが使ったら傷だってつくけど、その傷は味になっていくんですよ。そうやって、1脚の椅子に思い出が刻まれていく。

————一生の価値ある買い物となるわけですね。

小澤 家具はいつまでも使えますからね。後に何も残らないお酒や、自分の満足でしかないファッションにお金を使うんだったら、その分を自分と自分の大切な人が幸せな時間を過ごすためのものに使ってもらいたいと感じます。

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素敵な空間は幸せな人生を約束してくれる

————リグナではオフィスの内装デザインも手がけられていますよね。

小澤 そうですね。先ほど話にでたIT企業の社長の会社も3カ所、デザインしています。オフィスに目を向ける人は少ないですが、オフィスの環境をよくすることもすごく大事ですよ。
たとえば、全国に商品を展開している会社があるとしますよね。商品はがんばってブランディングするからカッコいいんだけど、オフィスは何の変哲もない事務机に事務椅子。そんな会社、少なくないと思うんです。

でも、素晴らしい商品を生み出しているのは、その無味乾燥なオフィスで働いている社員でしょう。もっとオフィスをカッコよく、居心地よくしたら、社員の満足度も帰属意識も高まるし、もっといい商品が生まれます。
さらに、そこで働きたいという新卒の人だって増えるんです。商品をよく見せることも大切だけど、働いている人の過ごす空間を素敵な空間にすることも非常に重要なことです。働いている人たちの人生を決めるのが経営者なら、経営者たる者はそこで働く人の人生を素晴らしいものにしないといけない。
そこで何ができるかというと、やっぱり空間の質を高めることなんですね。働く人が長い時間を過ごすオフィスをカッコよくするっていうのは、そういう意味でとても大切なことだと思っています。

————なるほど。空間の持っている力はすごいですね。

小澤 思い出も伝えられるし、家族やパートナー、働く人までみんなを幸せにできるし、インテリアって素晴らしいでしょう?
空間を変えると人生が変わるって、そういうことなんですよ。椅子1脚から、それが始まる可能性があるんです。

Interview/Text: 本多 小百合
Photo: 森弘克彦

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小澤良介

おざわ・りょうすけ/リグナ株式会社 代表取締役社長
1978年生。愛知県出身。明治大学在学中に個人事業主として起業し、卒業と同時に創業。アートレンタル事業からスタートし、2004年にはデザイナーズ家具オンラインショップ「リグナ」をオープン。現在は東京にカフェやグリーンショップ併設の300坪を超える大型インテリアショップ、福岡には古民家をー棟リノベーションしたインテリアショップをオープンしている。
近年は、家具販売以外に、空間プロデュースの分野でも活躍。ドバイの五ツ星ホテル「ラッフルズ」の最上階レストラン「tomo」のインテリア監修、福岡「ホテル · ラ · フォレスタ バイ リグナ」のリノベーション及び総合プロデュースなどの実績がある。また、上場企業のブランディングや、多数ドラマのインテリア監修(フジテレビ系月9ドラマ「月の恋人」ではドラマ監修を務めた)等、精力的に活動領域を広げている。
趣味は、仕事、車、ランニング、ウェイクボード、スケボー等、多岐にわたる。
著書に『100%好き!を仕事にする人生』(日本実業出版社)
2015年8月より、リサイクルショップを全国で90店舗展開する株式会社ベクトルの取締役CBOにも着任している。

http://qreators.jp/qreator/ozawaryousuke

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