QREATORS

バラエティーとゲーム。業界は違えど、ヒット作を生み出し続ける2人による対談が実現!

2015.12.30

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TVプロデューサー、ディレクターとして「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など数々のバラエティ番組でヒット作を生んだ角田陽一郎さんと数々のゲームやアニメでヒット作を世に出し続けてきたゲームクリエイターイシイジロウさんが「ここでしか話せない…」をテーマに様々なお話を頂きました。

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今回のゲストは、ゲーム業界のマニアックな作品を手掛ける人物

チュンソフト、レベルファイブにおいて、おもにアドベンチャーゲームのシナリオ・監督・プロデュースを務めたのち、2014年に独立したイシイさん。独立後、原作を提供したインディーズアニメ「UNDER THE DOG」が米国クラウドファンディング”キックスターター”のアニメーションジャンルにて世界最多(1億円位)の出資金額を集めた。
その後、2015年10月Youtubeで配信開始されたアニメシリーズ『モンスターストライク』 のストーリー・プロジェクト構成を担当。2016年1月から放送されるオリジナルTVアニメ「ブブキ・ブランキ」でもシリーズ構成と脚本を担当する。

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Youtubeで配信した理由と「7分の法則」

「テレビはストックできない。1週見逃したら終わり。しかし、Youtubeだとストックできて、過去の全ての話数が見られる。前回のものをいつでも見られるようにしておくことにより、次の話で前の振り返りをせずに済むのもポイントです。」(イシイ)

また、全話を7分前後にしている理由は、
「Youtubeで視聴率がいいのは10分以内の動画なんです。だいたい、7~8分が多かったですね。これは、実はテレビにおいても似ていて、バラエティ番組の30分でもCM抜いたら23分位。CMを外して3分割すると7~8分。7分というのはテレビでも視聴者が見やすい時間になっているんです。」(イシイ)

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制作側とお客さんの関係

「驚かれるかもしれませんが、テレビも出版もお客さんの事を見ているようで、本質は見ていないんですよ。テレビの視聴率とは視聴者に向けた指標なのではなく、実はスポンサーさんがCMを出すときに使う指標。テレビにとっては、視聴率を獲得するという事は、CMの売り場面積を増やすということなんです。出版社も作った書物を売る棚を確保することが、最重要課題です。」(角田)

「ゲームや出版業界も同じように言えますね。テレビとは違って購買者からお金を直接頂いているので、繋がっているように思われがちですが、アマゾンやゲーム販売店、書店などに売ってもらっている立場なので、お客さんではなくお店にどうこの商品を仕入れてもらえるかを重要視していたりします。」(イシイ)

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「デジタルゲームが物語を変えた」

アニメ&映画少年であったイシイさんがゲーム業界に20年いた理由は、ゲームが生み出す新しい物語を作りたいと思ったから。
ゲームデザイン上で生まれたループするストーリーを、アレンジしてアニメに落とし込んだのが「魔法少女まどか マギカ」。物語を生み出すゲームデザインができれば、キャラクターや設定を変更して、何度も繰り返してアニメーションや映画、小説、バラエティにでも落とし込むことができる。

フォーマットの良い例として挙げられたのが「人狼」というゲーム
※人狼とは、究極の心理戦ゲーム「村人チーム」と「人狼チーム」に分かれて相手チームの正体を推理し、自分の所属するチームを勝利に導くことが目的

人狼のゲームを使ったアドリブの舞台があり、その舞台は毎回配られたカードによってランダムにストーリが変化する。こういったゲームデザインの利用こそが発明である。

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「人狼」魅せるアナログゲームが持った可能性

「人にゲームプレイを見せてお金を取れる一例としての人狼ゲーム。でも将棋も囲碁も、野球もサッカーもゲームを見せてお金を取っている。そう考えるとゲームはそもそもするものじゃなくて、見せるもの。人狼ゲームを育てたら、サッカーや野球みたいになるかも。」(イシイ)

イシイさんは、人狼のゲームデザインの可能性を探っていて、この様な物語を自動的に生み出すゲームを作成していかなくてはいけないと考えている。

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今、まさに様々な変化の途中かもしれない

テレビ/ゲーム/音楽/本/ネットなど今まさに激流のさなかに今いるのではないか。
サカナクションを例として
「サカナクションの歌詞を映像的に感じるのは、山口一郎さんが、ワードで歌詞を書いてなくて、イラストレーターで言葉を描いているから。情報維新の中で、思考とか生活がどう変わるかが重要で、その大きな波がどこにあるのかを考えたほうがいい。」(角田)

ある知識を“調べる能力”が以前は求められていたけど、今はWebを使えば調べるのは簡単だから、その調べた情報が正しいかを、自分で判断する“知性”が問われている。そして調べたもの同士ををどう掛け合わせるかで、さらに新たなコンテンツの魅力を産む時代になっている。

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仕組み、フォーマットを生み出す考え方とは?

「仕組みというのがなんなのかわからないと思う人はトランプを使って、新しいゲーム考えてください。それが仕組みです。そしてその仕組みが世の中がつながる瞬間がある。仕組みの根本のヒントは、根本まで分解して考える。」(イシイ)

ドイツでは、アナログゲーム先進国で、日本の数倍の市場がある。アナログゲームはその場で仕組みを変えやすい。デジタルゲームは、プログラムを触らないと変えようがない。

ルールを壊してやっていくと、違うものができるし仕組みが見えてくる。アナログのゲームを分解したり、ルールを足したり引いたりすると仕組みが見えてくる。

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番組も仕組みもたくさんある。ないものをつくるには?

「テレビって結局“新しいもの”が受けるんです。でも本当に“新しいもの”って滅多にない。以前、今まで見たことないゲーム企画を思いついて、番組でやろうとしたんです。そしたら調べてみると法律に触れる疑いがあった。見たことない企画は、実は“できない理由”があって実現できてないだけなんじゃないかと悟ったんです。テレビの世界で見たことない“新しいもの”はもうないんじゃないかと思います。でも既存のもの同士を掛け合わせるだけで、それは新しいものになる。」(角田)

今まであるものを掛け合わせることによって、新しいものになる。掛け合わせは、無限大にある。

確かに、日本の縄文時代にあるすごい発明を思いついた人がいたかもしれないけど、世の中に広まらなければ、それは歴史の中で無かったことになってしまう。その思いつきをどう広めるか。世の中に出る技術を探していった方が成功への道しるべとなる。

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Interview/Text: 玉造 紫乃

角田陽一郎

かくた・よういちろう/バラエティープロデューサー/TBS「オトナの!」プロデューサー
TBSテレビ メディアビジネス局スマートイノベーション推進部兼制作局制作一部所属。1970年千葉県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSにテレビに入社。TVプロデューサー、ディレクターとして「さんまのからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」など、主にバラエティ番組の企画制作をしながら、映画『げんげ』監督、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。
現在は、いとうせいこうとユースケ・サンタマリアがMCを務めるオトナのためのトーク番組「オトナの!」を担当している。
新作著書「成功の神はネガティブな狩人に降臨する―バラエティ的企画術」が現在絶賛発売中の他、
水道橋博士が編集長を務める有料メールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』で「オトナの!キャスティング日記」を好評連載中。

http://qreators.jp/qreator/kakutayoichiro

イシイジロウ

いしいじろう/ゲームクリエイター/原作・脚本家
1967年生まれ。日経映像(1994年入社)、チュンソフト(2000年入社)、レベルファイブ(2010年入社)において、おもにアドベンチャーゲームのシナリオ・監督・プロデュース、ディレクションを務めたのち、2014年に独立。2015年株式会社ストーリーテリング設立。
2014年8月。原作を提供したインディーズアニメ「UNDER THE DOG」が米国クラウドファンディング”キックスターター”のアニメーションジャンルにて世界最多の出資金額を集める。
2015年10月YOUTUBEで配信開始されたアニメシリーズ『モンスターストライク』 のストーリー・プロジェクト構成を担当。同じく2015年12月に発売される3DS版『モンスターストライク』のストーリー・プロジェクト構成も担当している。2016年1月より放映されるTVアニメ『ブブキ・ブランキ』にシリーズ構成・脚本(北島行徳氏と共同)として参加する事が発表された。
代表作は『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』(監督/チュンソフト)、『428~封鎖された渋谷で~』(総監督/チュンソフト)、『TRICK×LOGIC』(企画・プロデューサー/チュンソフト)、『タイムトラベラーズ』(ディラクター/レベルファイブ)など

http://qreators.jp/qreator/ishiijiro

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