“港区在住28年”メディアアーティスト落合陽一が語る、六本木の魅力

2015.11.11

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21世紀の魔法使い、落合陽一が語る六本木の魅力

六本木に住んで28年経つ。文字通りのエッセイだ.東京都港区生まれ港区育ち、バブル期以降の六本木の停滞と発展を見て育った僕は、人生の中でいろいろなものを見てきた。
小さい頃祖母に連れられて、シーフードピラフを食べに行ったオークラの本館も建て替えに取り壊しに入ったし、小学校の通学路にあった家やレストランもどんどん変わっていく。
街は生きているのだなぁと常々思うし、それが東京という新陳代謝が高い街の特徴であり魅力だと思う。

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たとえば、六本木ドン・キホーテの上にあるU字型の黄色い装置を知っているだろうか? 
あれはかつて絶叫マシンをドン・キホーテの屋上に作ろうとした際住民の反対に会い、計画が頓挫し、取り壊されないまま残ったものだ。そういった新陳代謝の残りカスがこの街には沢山ある。

「カ」「ラ」「オ」「中国式エステ」という倒産したカラオケの遺物のようなネオンサインや、いつまでも6時20分を指している目抜き通りの時計や、そういったあらゆるものを見るたびに六本木という街の人間臭さや懐かしさがこみ上げてくるのである。

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都市というものは人間が造り得るもっとも大きなメディア装置だ。
メディアという言葉で語ってしまえば、六本木ヒルズやら、ミッドタウンやら先進的で先鋭的な構造物をイメージしてしまうかもしれない。
しかし、都市の持つもっと興味深い構造は人の痕跡をコンテンツ化したメディアだということだ。

ビルの中の店の痕跡はリニューアルのたびになくなってしまうかもしれない。
しかし、裏路地や大きな構造物や細かい落書きなどが都市のあちらこちらに、人の痕跡として残っているのだ。六本木という街は、表通りと裏通りに全く違う顔を持っている。
今度の土日にでも散歩してみたらどうだろうか? ひょっとしたら地下のバーから出てくる僕と鉢合わせるかもしれないし、思いのほか面白い人に出会えるかもしれない。

六本木という大きなメディア装置に含まれた多様な人々が作り出す人の痕跡は、今日も街を散らかして、そして人の営みを明日につなげていくのである。

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落合陽一

おちあい・よういち/東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了者)。博士(学際情報学)。コンピュータとアナログなテクノロジーを組み合わせ,物理世界をハックする作品や研究で知られる。
2015年より筑波大学助教・デジタルネイチャー研究室主宰。研究室では、デジタルとアナログ、リアルとバーチャルの区別を超えた新たな自然「デジタルネイチャー」を科学し、哲学し、実装することで未来を目指している。
これまでに情報デザインを行うジセカイ株式会社や超音波やレーザーなどの波動を制御するテクノロジーを研究開発する米国法人Pixie Dust Technologies.incを創業。
父は国際政治ジャーナリストの落合信彦。叔父は空手家(和真流宗家)の落合秀彦。 従兄弟はLady Gagaの主治医を務めたことで著名なデレク・オチアイ。
研究論文や作品をACM SIGGRAPH(世界最大のコンピュータグラフィクスの祭典・学会)で発表するのが通年行事。
2014年にはCG Channel(有名CGサイト)が選ぶBest SIGGRAPH論文にも選ばれ,アート部門,研究部門のプレスカバー作品を一人で独占した。
BBCやディスカバリーなど世界各国のメディアに取り上げられ,国内外で受賞多数。
研究動画の総再生数は380万回を超え,近頃ではテレビやバラエティ、コメンテーターなど活動の幅を広げている。

http://qreators.jp/qreator/ochiaiyoichi

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