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小4なりすましの後悔と決意。若手政治活動家が語る“社会を変える方法”

2015.10.16

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対談の前編では、ふたりの政治活動家のこれまでの活動について話を聞いた。

後編では、今年解禁となった18歳選挙権について、また今後の活動の展望について語ってもらった。

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18歳が選挙権をもつことによる変化

————今年の6月に、改正公職選挙法が成立し、18歳から選挙権を持つことになりました。これにより、若者の社会的関心や投票率は上がるのでしょうか

青木 いろんな人から「投票率は上がるか」と聞かれるんですが、急に何かが大きく変わることは無いと思います。
ネット選挙活動が解禁になったときもそうでしたが、制度が変わったからといって、状況が一変することを期待しても仕方がないと思うんです。

町田 今後の主権者教育がどう響くかにもよりますが、現状では、政治に関心の無い友人など“いわゆる普通の人たち”が、積極的に投票に行くイメージは余り持てないですね。
なんとなく行く、みたいに消極的なものは、あると思いますが。

青木 ただ海外では、選挙権を持って最初の選挙では投票率が上がっているというデータもあります。
初体験として1回だけ行ってみて、自分が投票したことの影響を実感できなければ、その後は行かなくなる人が多いのではないでしょうか。
ひとつ期待しているのは、高校生で選挙権を持った場合、親と一緒に投票所に行く人もいるんじゃないかということです。
新しく選挙権を持った若者の、親世代の投票率が少し上がるかもしれない。そこは楽しみですね。

町田 いずれにせよ、無関心層へも地道に情報を発信して、関心を高めていくしかないですよね。
TRM(Teen's Rights Movement)も未来会議(女子高校生未来会議)も、この活動ですぐに何かが変わると思っていたわけではなかったんです。
若者が政治参加する姿勢を見せることで、高齢者中心の政策じゃなくって、子育てなど若者向けの政策に目を向けてもらえるように…と考えていました。

青木 制度を変えることと、関心を高めていくことの両輪が必要ですね。

町田 私がいま考えているのは、無関心な層の投票率を上げるために、期日前投票をもっと広めることです。
投票期間の最終日に注目が集まりますが、一週間ほど期日前投票の期間があるんです。
期日前に投票をして、投票証明書を見せたら何かがもらえるような、企業とのタイアップなどもできるんじゃないかなって思います。
未来会議のときにも、若い女性向けの化粧品であったり、いろんな協賛をいただきました。

青木 ベン&ジェリーズが投票したらアイスをプレゼントっていう企画をやってましたね。

町田 そうなんです! あんな感じのキャンペーンをもっと増やして、政治が日常の一部になるような工夫をしたいです。

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アイドルオーディションに出て自身の活動を発信する

————では次におふたりの今後の活動についてお聞きします。町田さんからお願いします

町田 将来は政策を作る側の仕事をしたいと思っています。
まだ大学生でいる間は、情報発信をすることで「政治を語ることがタブーである日本」から「政治を語ることが日常である日本」にしたいです。

————どうすれば「政治を語ることが日常である日本」に変えられるのでしょうか

町田 例えば、メディアではタレントと有識者のようなコメンテーターが明確に分かれていて、タレントさんが政治のことを話すとすぐ炎上したりしますよね。
でも彼らの影響力っていうのは非常に大きいので、タレントとコメンテーターを分けるのではなく、タレントさんたちにもどんどん発信していってほしいんです。

————町田さんは、現在ミスiDというオーディションに参加しています。これは自身がタレントになって、発信をしていきたいということでしょうか

町田 そうですね。現在はセミファイナルまで残っているんですが(※10月上旬現在)、このオーディションで、いままで政治に関心のなかった、私のことを全然知らなかった人たちに、情報を発信することができました。
以前NHKの「ニッポンのジレンマ」という番組に出演させていただいた際に、反響がすごく大きかったんです。
もしバラエティなどの番組に出ることができたら、政治に関心のない人たちにもリーチできると思うんです。

青木 今後、芸能界に進みたいとは思わないの?

町田 自分の志を実現するための手段として、それが一番ふさわしいのであれば、芸能界で生きていきたいなとも思います。
私がミスiDとして、どこまで社会を変えられるのかって限界にチャレンジしている最中なので、すべての道に全力投球して行きます。

青木 そのつもりがあるなら、どんどん政治キャラをアピールするべきだけど、生半可な努力だと難しいかもしれない。
春香クリスティーンさんとかを見てると、ものすごい勉強量に圧倒されます。
安保法案の可決が近づいた期間に、僕は国会で取材をしていたんです。そのときも彼女は夜遅くまで国会に通い詰めていらっしゃいましたし、いろんな議員さんたちからも「彼女は何かあればすぐに電話してくるし、とても勉強家だ」という評判を耳にします。
加えてとても美人で、ユーモアのセンスも抜群。ああいった人たちと競争していくには覚悟が必要でしょうね。

町田 そうですね。まずは目の前のオーディションをがんばります!

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「小4なりすまし」の後悔と決意

————青木さんは今後どのような活動をされるのでしょうか

青木 僕は、自分の年齢や属性に合うような、そのときどきの問題に取り組んでいきます。
例えば、ようやく18歳から投票できるようになったけど、被選挙権を持つ年齢は25歳と30歳です。
投票はできるけど出馬ができない時期が、衆議院や地方議員だと7年、参議院や知事だと12年と非常に長いんです。海外だと、投票できる年齢と出馬できる年齢はイコールか、日本よりは近い場合が多い。
投票年齢引き下げに続いて、この被選挙権の年齢を下げたいと考えてそれ以外にも少しでも若者からお年寄りまでもが共に支え合える社会はどう実現出来るのか、次世代にツケを残さない為にはどうすればよいのか、少子高齢化の中で若者はどう未来を創っていけばいいのか、そういうことに取り組んで行きたいと思っています。

————大学卒業後の進路としては、仕事として政治活動家を続けるということでしょうか

青木 卒業後は大学院に行く予定です。ロビイングなどの政治活動を実践しつつ、それを研究に落とし込んでデータにしたいというのが、今後の展望です。また、組織を作って、活動していくことも含め、色々な選択肢を視野にいれながら活動していきたいと思ってます。

————ロビイングするだけじゃなく、自身が政治家になるという道を考えることはありますか?

青木 もちろんそれも視野に入れています。この夏の安保法制の動きを見ていても、結局は国会の中でしかできないことがたくさんあります。
世論形成においてはまだ理解が足りないとはいっても、選挙に勝った議席が多い党が強いのが現状です。
現在はまだ被選挙権がないので、国会の外からできるロビイングや若者の政治関心を高める活動や研究を続けるつもりです。

————将来、政治家を目指すうえで避けて通れないのが、「小4なりすまし」の件(※)だと思います。元々、どのような目的でウェブサイトを開設したのでしょうか

(※注:青木さんが、昨年2014年11月に、安倍政権の衆院解散の是非を問う「どうして解散するんですか?」というウェブサイトを開設した。小学校4年生が運営している体裁をとったが、実は青木さんが運営していたことが発覚し、批判が殺到)

青木 実はあのとき、僕が有権者になって初めての選挙だったんです。
20歳になって生まれて初めて投票できる。でも選挙の争点が本当に不明確だったんです。これまでさんざん「政治に関心を持とう!」って主張してきたのに、いざ選挙になったら、何のための選挙なんだろうって、純粋に疑問を持ったんです。
いままでの経験を活かして、いろんな人の意見を可視化したいと思って始めたのがあのサイトでした。

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————初めて選挙権を持った一有権者として、争点が不明確だと感じたわけですね

青木 そうですね。なぜ小4のフリをしたかというと、これまでの自分の活動の広がりに限界を感じていたからなんです。
自分の声が、友だちや元から社会的関心が高い人たちにしか届いていないのが現実でした
。僕の名前でやると、僕のことを知っている人たちの間だけで広がって、「ああ、いろんな人に声が届いた」って自己満足して終わってしまう気がしていて……。それだけだと何の意味もない。
政治に興味が無い人たちにも広げるためには、仮想キャラクターを出したら理解が得られて、規模が広がると思ってウェブサイトを作りました。

————「政治家を目指す人がウソをついてはいけない」という批判もありました

青木 自分の名前でやるべきだったと今は思っています。
実はあの当時、1週間ほど家に引きこもっていたんです。自分のやったことを受け止めないといけないと思って、ネット上での自分に対する批判のほとんどに目を通しました。
今思えば思慮が足りなかったと思いますが、ウソをつく意図は全くありませんでした。
しかし、政治は「本人の意図がどうかというよりも、他人からどう受け止められるか」が重要だと痛感しました。
今後いろんな人にお会いしていく中で、少しずつ理解していただくしかないと思っています。

————大学受験についても批判がありましたね。AO入試によって、政治活動の実績を上手く利用しただけで試験を突破したのではないかという

青木 そこに関しては少しだけ弁明したいです。僕は法学部のAO入試A方式という試験で入学したのですが、この方式でこの年に合格した男子生徒は全国でたった4人なんです。
僕ももちろん必死に努力をしましたし、小手先だけで合格するような試験ではなかったと思います。
なにより、この一件によって、合格した他の方への風評被害が起こってしまい、非常に申し訳なく思っています。

————この一件を振り返って、今後にどうつなげたいと考えていますか?

青木 政治活動家という肩書でいろんなことをやってきましたが、この一件があるまで、将来の道を悩んでいた側面はありました。普通に就職活動するという選択肢もほんの少しですが考えていました。
でも、この一件があってからは今まで以上に強い覚悟を決めました。自分のやったことに責任を持って、政治の道を選んで、地道に活動をしていきます。

————お二人とも、ありがとうございました





町田彩夏さんも参加されているミスiD2016の投票期間は10月18日(日)まで。

ファイナリスト進出への審査内容は、
自己PR動画の再生回数      https://www.youtube.com/watch?v=gg5whz2Sd20
アー写販売数           https://www.ar-sha.com/event-24220.html
CHEERZ(無料アプリ)での得票数 https://cheerz.cz/post/89932
Twitterでの発言内容など     https://twitter.com/ayaka_m_y

Interview/Text: 森 祐介
Photo: 大根篤徳

青木大和

あおき・やまと/1994年03月09日生まれ。政治活動家/慶應義塾大学法学部政治学科在学中。15歳にて単身渡米。米国の社会活動へ参加する中でオバマ大統領誕生を目の当たりにする。日本と米国の若者の社会参加、政治参加の差を実感し、帰国後2012年「僕らの一歩が日本を変える。」を創設。「高校生100人×国会議員」、「未成年模擬選挙」「全国行脚」などの数多くの仕掛けを行った。2014年に同団体を法人化し、2014年秋に代表辞任。以後世界各地を渡りながら現地の社会運動、若者の動向などをレポートしている。また、aokiyamato.comを運営し、執筆など個人による若者、政治、社会などのテーマを中心に活動を行っている。

http://qreators.jp/qreator/aokiyamato

町田彩夏

まちだ・あやか/政治を語ることが「タブー」である日本を、政治を語ることが「日常」である日本へと変えたい。1995年、千葉県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科在籍。女性の社会進出と、18歳選挙権に強い関心をもち、高校時代に女子高校生未来会議やTeen’s Rights Movement の発起人として立ち上げる。特に先の18歳選挙権の実現に尽力した。schoo講師、朝日子どもニュースキャスター、ニッポンのジレンマ出演を通して、発信する傍ら、新世代にふさわしい女の子を発掘するオーディション、ミスiD2016のセミファイナリストとして、ファイナリスト進出を目指して奮闘中。(投票期間は10月18日まで)

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