辛酸なめ子×椎木里佳「イマドキ女子高生、すごいことになってます!」

2015.9/3

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鋭い観察眼で女子の生態を観察し、エッセイや著書を多数執筆されている辛酸なめ子さん。
そしてもうひとりは女子高生起業家であり、辛酸なめ子さんの大ファンであることを公言する椎木里佳さん。

そんなふたりの目から見る「イマドキ女子高生の実態」をたっぷり語ってもらいました。

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小学生で「女子のヒエラルキー」を実感

--今回の対談は椎木さんが辛酸さんをご指名されたんだとか!

椎木 私、小学6年のときに、辛酸さんの著書『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)を読んで、そこから大ファンなんです。
読んだ瞬間「すごい! なんでこの人は、私のことをこんなに知っているんだ!?」って驚きました。女子の階級社会やポジショニングについて書かれてあったんですが、まさに当時の私の状況そのままが書いてあったんです。

辛酸 『女子の国~』は、14歳の世渡り術シリーズの一冊ですね。でも、椎木さんみたいな美人だと、あの本に出てくる階級社会や人間関係の悩みとは無縁そうなのに。

椎木 かなり大変でした。私立の小学校で、クラス替えがなくて、担任も6年間一緒だったんです。「あの子に嫌われたら終了」の世界。いつどんな理由でリーダー格に嫌われるか分からないので、みんな小学生ながら気を使っていて。
そんな世界観がまさにあの本に書いてあって「ああ、みんな同じことに悩んでいる」って、救われた気分になりました。

辛酸 リーダー格ってどんな子でした? かわいくて運動神経いいとか?

椎木 運動神経はいいですね。あと、兄や姉が同じ学校にいるとポイントが高いです。
逆にかわいいかどうかは、小学校で上に立つにはまったく関係ないですね。むしろかわいい人たちが「ぶりっこだ」ってにらまれる世界。

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辛酸 変なあだ名とかずっと言われ続けそう。こないだ、バスに乗ったときに「よだれマン」って呼ばれていた男の子がいたんですよ。そのイメージがずっと続いちゃう感じ?

椎木 そうですね(笑)。小学1年生で「よだれマン」になっちゃったら、ずっと変わらないです。中学、高校でも同じクラスになっちゃったら、最悪卒業まで同じポジショニングでマイナスイメージがぬぐえない世界なんです。

辛酸 もしかしたら大人になっても、ずっと続くかもしれないですね。

椎木 怖いです(笑)。

--部活でも、ポジショニング争いがあるんですか?

椎木 ありますね。私の中学ではダンス部が指導権を握れてたので、「絶対ダンス部だ!」って入部しました(笑)。
別に途中でなにがあるわけでもないんですけど、ダンス部っぽくない子だと入ってもだんだん辞めちゃうんですよ。中3まで残るのは気が強いキラッキラな人たちですね。

辛酸 そういえば、皇室の佳子さまもダンスサークルに入りましたね。佳子さまが着ていた、背中や肩がえぐれているマッチョタンクトップはみんな着ているんですか?

椎木 着ていますね(笑)。佳子さまのポジショニングは、間違いなく最高峰ですね。

辛酸 バスケ部やバレー部は、昔ほど強くない?

椎木 上位ではあるんですけど、ダンス部が頂点です。やっぱり男子からモテるのは、ダンスですから。
ダンスもヒップホップ系のいかに自分を美しく見せるか、扇情的なダンスが主流ですし。

辛酸 なるほど。中学からは、モテも重要なんですね。

椎木 かなり重要です(笑)。

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キス動画も自撮りアップも日常茶飯事

--最近の女子高生は、自撮り写真のSNSアップは普通ですか?

椎木 普通ですね。ばっちりメイクで「もう、今日はうまく盛れない♡」って、決め顔写真のアップとか(笑)。
でも、やっぱり自撮りは反感も買いやすいので、暗黙のうちに「かわいい子しか上げちゃいけない」っていう雰囲気もあります。
もしくは反感を買ってもいいと開き直っている子とか。私もかなり開き直っているので、Twitterとか自撮りはめちゃくちゃアップしています。
仮に身近な人に「あいつ勘違いしてる」とか言われても、他校の子や県外の子からフォローが増えれば、まぁいいいかと。

辛酸 海外だと「自撮り病」とか「キケンな自撮りで事故」とか聞くと、行き過ぎが少し心配ではありますね。「自撮りがうまくできなくて自殺した」とか。

椎木 私の周囲だと、まだ直接そういうのは聞いたことないですね。むしろ、みんな決め顔がすっごくうまい。

--イマドキ女子高生は、SNSは何を使っていますか?

椎木 自撮りのアップだとTwitter、インスタ(インスタグラム)、あとはスナップチャットです。スナップチャットなら、基本的に見るのも友だち同士だし、アップした画像が10秒しか見られないので、自撮りアップもちょっとイタイ写真でも気軽にやり取りしますね。

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辛酸 キス動画が流行っているのもそれ?

椎木 キス動画は、MixChannel(ミックスチャンネル、通称ミクチャ)ですね。あれは、ずっと履歴が残っちゃいますけど、私の周りでもキス動画をアップする子はいますね。
都心から離れるほど、キス動画も自撮りもやっている子が増えるかも。地方のマイルドヤンキーに多いイメージですね。私、マイルドヤンキーが大好きなので、その生態にはかなり注目しています。

辛酸 マイルドヤンキー! ああ、言われてみれば確かに。テレビでキス動画アップしていた子を取材していたとき、お父さんもインタビューで「別にいいんじゃない」って言っていました。

椎木 ミクチャの動画人気ランキングトップは、金髪の子が多いですね。

辛酸 なるほど。ネットにアップすると一生残っちゃう心配があるし、スナップチャットの10秒で消えるのは画期的ですよね。
最近、小学生のインターネットについての授業で「お父さん、お母さんの名前で検索してみましょう」っていのがあるそうです。変な画像も動画も残さないほうがいい。

椎木 えーー!それは怖いですね(笑)。そういえば、親とつながる可能性があるので、Facebook はほとんど使わなくなっています。親と共通の知人に、変にタグ付けされたりするのも困りますし。
親には見られない世界のほうがやっぱりいいです。

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イマドキ女子高生の恋愛はTwitterから

--最近の恋愛事情は、どんな感じですか?

椎木 女子高だと出会いはTwitterが多いです。気になる人とはDM(ダイレクトメッセージ)で、やりとりして「会おうか」という流れです。
共通の友人にもDMして「あの人ってどう?」「彼女いないから大丈夫だよ」とか、何に興味があるのかとかもだいたい事前に情報が取れます。

辛酸 検索した情報で幻滅することってないですか? 「お母さんの味噌汁が一番だよ」ってマザコンチックなポエム書いていたりとか、SNSをさかのぼることで恋心が冷めたりとか。

椎木 「元カノが自分よりかわいい、しかもまだつながっている、復縁の可能性あり」とか見ると、Twitter上の情報であきらめちゃうっていう子もいますね。
逆にSNS上で、ちょっといいことつぶやいている人にすごく期待していたら、実はただの面倒くさい人だったとか。
たぶん、昔の恋愛よりドキドキ感が少ないというか、冷めやすくなっていると思います。

辛酸 本当に「人を見る技術」が必要なんですね。むしろSNSをあまりやってない子のほうが、神秘的でモテそう。

椎木 それ、あります。なんでもかんでもオープンにしている人だと「やっぱりちょっと止めておこう」ともなりますね。「あの人、こんなDM送ってきた!」とかも、すぐ広がっていますから。

--辛酸さんの時代だと、恋愛のスタートはどんな感じでしたか?

辛酸 もう、SNSどころかインターネットさえない時代。当時の女子高だと「文化祭で出会う」とか「塾や図書館で出会う」みたいな世界です。
ドキドキしながら相手の家に電話をして、親に取り次いでもらう関門を乗り越えて、はじめて電話でも話せる。親に電話を聞かれるのが嫌で近所の電話ボックスから電話してっていう時代ですよね。
あと、カセットテープにお気に入りの曲を編集してプレゼントする風習もありました。

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椎木 図書館いいなぁ。昔の恋愛のほうが絶対ロマンチックですよね。
最近だと、SNSでいろんな情報が飛び交っているのもあって、「もう彼氏作るのめんどくさい」って言ってる子も周りにいます。
かといって、異性に興味がないわけでもなく「1日楽しく遊べたら、それでいい」みたいな。主観ですけど、全体の1割ぐらいはそんな子もいますね。

辛酸 ビッチキャラ?

椎木 ビッチキャラとも違うんですよ。オトコ化しているというか、サッパリしているというか。
でも、私もどちらかといえば、後先考えると誰かと付き合うのは面倒くさいって思っちゃうほうですね。束縛されるのも苦手ですし。

辛酸 男性は「好きな女性には、自分より広い世界を知ってほしくない」って思う人がいるじゃないですか。
椎木さんみたいに人脈があって、それだけ活躍していると男のプライドが傷つくとかありそう。

椎木 それはあるかもしれないですね。私、同世代には敵対心を燃やされることはあっても、モテないです。

辛酸 ある程度年上の男性じゃないと難しそう。あ、でも、椎木さんが17歳だから相手が犯罪になっちゃう。

椎木 そうなんです(笑)

後編では「女子高生の勢力分布」やハマっているものなど、さらに驚きの実態に迫ります!

Interview/Text: 玉寄麻衣
Photo: 神藤 剛(人物)

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辛酸なめ子

しんさん・なめこ/漫画家、コラムニスト。
独自の視点からの社会分析、女性分析などが人気を集め、雑誌やテレビなど幅広いメディアで活躍する。
新刊『妙齢美容修業』(講談社)が9月16日に発売予定。

https://twitter.com/godblessnameko

椎木里佳

しいき・りか/1997年、東京都千代田区出身。株式会社AMF代表取締役。中学3年のときにAMFを創業。マーケティングサポートや、女子中高生の「かわいい文化」を世界に発信する「JCJK調査隊」のほか、スマートフォン向けアプリの開発や各種イベント企画プロデュースなどの事業活動を展開している。

https://twitter.com/rikashiikiamf

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