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「金髪も見慣れますし」娘がギャルになったことで、親の楽しみも増えました

2015.9/1

Oyako title kamata0813

クリエイティブな子ども時代をすごした安里紗さん。
中学3年でギャルファッションに目覚め、その後徳島から単身上京し東京の高校へ。ご両親は、どんなふうに感じていたのでしょうか。
前編に続き、父・磨人さんと母・敏子さんから子育てについて伺います。

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自分の枠を越えていく娘を楽しんでいます

ーー 安里紗さんのギャルファッションを初めて見たときの印象はどうでしたか。覚えていますか?

磨人 覚えてるよ。目が覚めたら金髪に変わってた。

安里紗 アハハ(笑)。自宅のお風呂で染めました。

敏子 言葉にならないって感じでした(笑)。いきなり職場に、金髪で現れたんですよ。人前だったので驚きを抑えていましたが、衝撃を受けましたね。
私の想像を超えることだったので、何が起こったんだろうっていう感じでした。

磨人 うん。その前まではずっとマーチングをやってたんですよ。どこでどうなったのか(笑)。とにかく、そのときはビックリしましたね。

安里紗 そうそう、5年くらいフルートやっていました。

敏子 点と点がつながらない感じ。衝撃と、なんとか理解しようという気持ちと。
数カ月くらいは、自分の中のギャップと折り合いがつかなくて、理解しかねる期間がありましたね。

ーー やめさせようとはしなかったんですか?

敏子 それは絶対無理だと思っていました。小さい頃から、一度自分で決めたら曲げない性格でしたから。
でも、学校の先生にときどき呼び出されてね(笑)。先生の目から見た安里紗を伝えてくれるわけですよ。

ーー 学校の先生は、金髪=不良っていうイメージですよね。

敏子 そう。「心配だから、今のうちに手を打っておいたほうがいいです」っておっしゃっていましたね。
でも、そうやって外から言われると、私が感じていることと、ちょっと違うんじゃないかなって感じがして。
そうすると、本当のところはどうなのかなって考える余地が生まれてきたんです。なんか、かえって私が先生に「そんなことはないと思うんで、待っておいてください」って説明をしたりして。

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磨人 いつからだっけ? 中3になってから?

安里紗 金髪にしたのは、中3になる直前ぐらいかな。

磨人 金髪と日サロとな。

安里紗 金髪、日サロ、ピアス、メイク……。

敏子 でも、「いきたい高校を見つけた!」って言って、突然、受験勉強を始めたりして。

安里紗 中3の最初に髪を染めて、夏休みに行きたい高校を発見しました(笑)。

敏子 そのへんからは行動も違うし、あきらかに何かやりたいことを見つけたんだっていう感じでね。一緒に塾探しもしましたね。

安里紗 毎日1時間ふたりを説得して。OKをもらえるのに3カ月かかりました。お父さんが受験を認めてくれたのは、遅かったよね。

磨人 15歳で東京なんて心配だったしね。僕の中では、大学までは一緒にいてくれるかな〜と思っていたから、急にいなくなったら寂しいじゃない(笑)。
あとは成績が本当に間に合うかとか。偏差値がぜんぜん足りてなかったしね。
落ちたらどうするんだろうとか心配になるんだけど、安里紗を信頼できてない僕自身に納得がいかなかったり。
親が子離れするまでの葛藤があって、「信頼する」と決めるのに少し時間がかかりました。その上で、僕がOKをだしてから塾に行ったんだよね。

敏子 そう。塾を探してるとき、最初の頃はよく門前払いをくらいまして。志望校を伝えると、「無理です。お引き取りください」みたいな感じでした(笑)。
でも、最後にいいところ見つけてね。そこからは、一緒にがんばっているって感じはありましたね。

磨人 やるって決めたらやると信じてました。塾も毎日迎えに行ってたしね。

安里紗 あのときは毎日、授業が終わって教室が閉まるまで、居残りして自習していましたね。

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敏子 そういう姿を見てると、本気なことは伝わってきました。やりたいって言ってるということは、なにがあってもやりきるだろうなと。小さいときから、そうでしたから(笑)。

ーー 見た目は派手でも、中身は変わっていないと。

敏子 金髪も見慣れますしね。最初はビックリしましたけど。今は、毎日髪の色変わりますから(笑)。
いつも、自分の持っている枠組みの外で、なんかやってくれるので、最初は、追いつくのに少し時間がかかったっていう感じですね。
そもそも私とは違う存在なので、私の枠で理解できるわけがないんです。むしろ、私の趣味が増える機会ですから。
だんだん慣れてきて追いつくスピードが早くなって、楽しい時間が増えてきたって感じですかね。

ーー 追いつこうというのをお母様が楽しめたというところが大きい?

敏子 ありますね。自分の世界が広がるというか。私もピアスしたりなんかして。髪を染めたり。

安里紗 ネイルもしてたよね。

敏子 「けっこう楽しいんじゃないコレ?」なんてね(笑)。

安里紗 おばあちゃんも最初は、髪の色にびっくりしていたけど、途中から「キレイな色ね」とか言いだして。「爪は前よりそっちが好き」とか(笑)。

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家族で会社でも始められたらいいな、と思います

ーー 今の安里紗さんのご活躍ぶりを見てどう思われますか?

磨人 ま、楽しみですね。

敏子 すごいねって(笑)。っていう感じですかね。これからも楽しみです。面白い話が聞けますしね。

磨人 最近、娘のやっている研究の話を聞いて、情報交換をしています。分野は違うんですが、僕が求めていた方法を教えてくれたりして。

敏子 私も自分のやっていることと共通することがあって、娘の話が役立っています。

安里紗 情報交換できるよね。

磨人 広い意味で、新しい情報をくれる人になったかな。
つい一週間ぐらい前に、娘に紹介されたエシカル・ファッションの解説をそのまま学生に説明しました(笑)。

ーー やはり今も同じ立場で同じ目線で、子供扱いしてないんですね。

磨人 同じ目線でいますね。僕の話もできるようになりました。たぶん、僕の仕事が一番理解されていない(笑)。大学の先生っていうとわかりやすいけど、実際何をやっているかは分からない。

安里紗 今までは自然系の大学の先生ってくらいだったけど、最近よくわかってきたよ。

磨人 フェアトレードとかね。僕は環境とか生態系とかが専門で、広い意味で結びついていて。

安里紗 近いよね。

磨人 そうそう。もう少ししたら同じところで、伝えあえるような。そういう仕事にできたらいいと思う。

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ーー 一緒にお仕事できるようになったら楽しいですね。

敏子 家族で、会社でも作れたらいいなぁと思います。

ーー 今後、安里紗さんに、期待していることはありますか?

敏子 私の思い描いているものを超えてほしいです。私の楽しみも増えるし(笑)。
世の中に貢献したいという意志はあると思うので、それは持ち前のユニークさでできたらいいですね。

安里紗 うんうん。

磨人 こうなって欲しいとか、ないよね。言っても聞かないし(笑)。
自分の枠に固まらずに、自分に対して挑戦し続けたらいいと思いますね。

安里紗 そうだね。

磨人 Twitterのフォロワーが8万人いるけど、数がそんなに増えてないよね。最近。

安里紗 よくお気づきで(笑)。

磨人 今までの同年代の子は見ているけど、違う世代に増やすのは次のテーマだと思うし。それは自分の枠を超えないといけないだろうというのはありますね。

安里紗 最近発信している内容が変わってきたけど、どう?

磨人 変わってきてる(笑)。それがどう新しい人につながるかだね。

敏子 試行錯誤は感じられるね。

安里紗 そうだね。がんばりまーす。

磨人 SNSの力とか、ウェブでの発信の仕方とか。新しいツールっていうのがあたり前になってきてるけど、発信力とかポテンシャルっていうのを彼女から学んだりしますね。

敏子 分かりやすく伝えるということに関しても、学ぶことが多いですね。

磨人 なにか伝えていく仕事を、将来、家族で一緒にやっていくのが楽しみです。

Interview/Text: 橋村 望
Photo: 森弘克彦

鎌田安里紗

かまだ・ありさ/モデル。タレント。1992年、徳島県生まれ。高校進学と同時に単身上京。在学中にギャル雑誌『Ranzuki』でモデルデビュー。撮影などの活動を続けながら、2011年に慶應義塾大学・総合政策学部に現役合格。現在は同大学の大学院に進学、芸能活動も続けている。途上国の支援活動に関心が高く、自身のブログでも情報を発信。JICAの『なんとかしなきゃ!プロジェクト』のメンバーにも選出され、フェアトレード製品の制作やスタディ・ツアーの企画などを行っている。

http://qreators.jp/qreator/kamadaarisa

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