四角大輔×吉田拓巳「『昔がよかった』って言う大人、全然イケてません」

2015.8.14

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モバイルボヘミアンとしてニュージーランド湖畔の森と東京を拠点に、執筆や若手クリエイター・起業家のインキュベーションを手がける四角大輔さん。そんな彼をホストにお送りする新連載「FUTURE SESSIONS」がスタート。
ぶっとんだ"若者"をゲストに、今と未来についてトークします。

記念すべき第一回目には、日本最年少社長として、VJ、Webクリエイター、アーティストのライブ演出や飲食店の空間プロデュースなど幅広い活動を行う吉田拓巳さんが登場。

プライベートでも交流があるおふたりに、「ロールモデルの抜け出し方」について本音で語っていただきました。

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「過去にもどろう」なんて発想は絶望的

――おふたりは以前から交流が深いそうですね。年齢の離れたおふたりですが、普段はどんなお話をされているんですか?

吉田 最近の話だったり、今やりたいこととかですね。さっきも経済産業省でオリンピックの演出に関するプレゼンをしてきた話をしてました。

――えっ!?

吉田 「2020年の東京オリンピックのテーマを聞いて驚いた」って話をしてて。テーマは何とオールドジャパン(笑)。それ聞いたときに本当にびっくりしちゃって。過去に戻ってどうするんだろう?

四角 拓巳くんとよくそういった話をするんですよ。ちなみに僕は今45歳で、拓巳くんは19歳だけど(インタビュー時)、僕と拓巳くんは対等な仲間。日本に帰ってきて、一番会う友人の一人です。
僕が若いときに、イケてないと思っていたオジサンは、「俺はこうだった」「昔はよかった」みたいな過去の話をする人だったんですよね。
要は「オールドジャパン」っていうコンセプト自体が、過去にしがみつきたいオジサンからしてみればいいのかもしれないけど、「バブルや高度経済成長の頃に戻ろう」みたいな“過去への後退思考”は、僕からするとほんと絶望的で。

吉田 ほんとナンセンスですよね。

四角 そもそも10代の拓巳くんに「オリンピックのアイデアをプレゼンしてほしい」ってお願いしているのに、コンセプトがオールドジャパンって(笑)

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これからの時代はリアルなものしかウケない

――ちなみに、どんなアイデアをプレゼンされたんですか?

吉田 今回はオリンピックを使って日本を海外にどうPRするか、みたいなテーマだったんです。
僕は今の時代、リアルしか受け入れられない時代だと思っていて。昔って、テレビがある意味の“リアル”だったから、みんなテレビCMをみて、「あぁ、このお茶はこんないいとこでできていて、この化粧品はこんなキレイな女優さんが使っているんだ」と思ったかもしれないですけど、今はCMや広告を信用していない人が増えていると思っています。
広告や情報が増えすぎて、テレビがリアルじゃなくなったから、感覚的にこれ宣伝だってわかるんですよね。

——確かにそうですね。

吉田 だから、莫大な予算を使って日本が「うちはこんな国です」って映像をつくったとしても、世界の人たちは誰も共感してくれない。
それよりも、オリンピックにきたユーザーが勝手に宣伝してくれるようなコンテンツをつくったほうがいいと思うんです。
大きなターゲットに向けて宣伝するより、たとえば僕が四角さんに日本のいいところを伝えるほうが信憑性もあるし。

四角 僕にとっては、それがリアルだからね。

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――四角さんがそう思うようになったきっかけは?

四角 拓巳くんのようなクリエイティブな10代、20代の子たちが相手にしてくれて、遊んでくれるからかな。僕自身がすでに45歳のオジサンなのに。
僕より上の世代の人たちの大多数が過去の栄光の話ばっかりするから、一緒にいるのは「ゴメンナサイ!5分が限界です!」みたいな感じになってしまう(笑)
まわりで過去の成功体験にとらわれない人を探そうとすると、同世代以上ではわずかしかいない。だからお付き合いする大人の人たちは厳選します。
そして、未来創造の話を真剣にしようとすると、どうしても年齢も若くなっていく。ちなみに、40代になって初の10代の友だちが拓巳くんでしたね。

——出会いはいつ頃だったんですか?

四角 僕がはじめて拓巳くんと会ったのは、あるトークイベント。まだ彼が16歳のときで、当時まだその世代の子とガチで話すことってなかったから、共通の話題を探そうと思って、「マンガ読む?」っておそるおそる聞いたら、「いや、読まないっす」って言われて“シーン”となっちゃった(笑)
理由を聞いたら、「マンガってカラーじゃないから。フルカラーじゃないと入ってこないんですよね」って言われたんです。
それで当時学生向けのトークライブを年間何十本もやっていたので、すぐにその週末にスライドを全部フルカラーにしました(笑)

——一緒にいることで刺激をもらえるんですね。

四角 そうですね。自分が思ったことを、僕とは違う感性とボキャブラリーではっきり言い切ってくれるので、忘れがちな大事なことを再確認できる。
僕も45歳だから、油断していると思考が固まりがちになったり、気づかぬうちに挑戦を避ける思考になってしまうリスクがあります。
グローバルに移動しながら仕事をしたり、頻繁に大自然へ冒険をしたりして、「非日常」を暮らしに取り入れるようにして、凝り固まらないように工夫はしているけれど、それだけでは限界がある。
彼らといるとことで新しいことを学べるし、インスピレーションもらえるし、クリエイティビティが強くかきたてられる。
その結果、僕自身が変化し続けることができるんです。なにより、単純に一緒にいて楽しいですからね。

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――吉田さんからみた四角さんは、どんな印象ですか?

吉田 まぁ、失礼ですけど、「なかなかこんな大人はいないな」って思います(笑)。ふだんあまり本を読まないけど、唯一四角さんの本は読みましたし。

四角 ふだんあまり自慢話とかしないんですけど、これはつい自慢しちゃいます(笑)。レコード会社プロデューサー時代にCDをたくさん売ったことよりも、拓巳くんが自分の本を読んでくれたことの方が僕にとっては自慢だし(笑)、嬉しい。

未来にコミットし、今を全力で生きているお二人が語るからこそ、一言一言にすごく説得力があります。
次回は、今回のテーマである「ロールモデルの抜け出し方」について迫ります!

Interview/Text: 田尻亨太
Photo: 森弘克彦

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四角大輔

よすみ・だいすけ/アーティストインキュベーター、執筆家。
1970年生まれ。新卒でソニーミュージックに入社し、2004年にワーナーミュージックにヘッドハントされる。約10年間、プロデューサーとして絢香、Superfly、平井堅、CHEMISTRYなど10数組のアーティストを手掛け、20回のオリコン1位、7度のミリオンセールスを創出。2010年、学生時代からの夢だったニュージーランドに移住し、約半年間のキャンプ場生活の末、原生林に囲まれた湖畔の一軒家で、自給自足をベースとした〝森の生活〟を開始。大自然(NZ)と都市空間(TOKYO)という両極端な二拠点を往来するグローバルノマドとして、独自のクリエイティブ論とオーガニック思想を発信。多数の連載を抱え、著書にベストセラーとなった『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)など。

http://qreators.jp/qreator/yosumidaisuke

吉田拓巳

よしだ・たくみ/株式会社セブンセンス代表取締役/VJ/映像演出家/Webクリエイター
日本最年少社長として15歳で株式会社セブンセンスを設立。2012年1月に10代のネット疑似投票サイト『Teens Opinion』をリリースし、10代の若者をはじめ各著名人からも大きな支持を集める。2013年8月にはアーティストMINMI主催のイベント『FREEDOM』や全国ツアーの映像演出を手がけ、VJ・演出家としても精力的に活動。2014年4月にはJAAA主催日本広告業協会広告大賞を受賞。飲食店や商品のブランディングなども手がけ、現在も活動の場を広げている。

http://qreators.jp/qreator/yoshidatakumi

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