「う◯ち」って実はすごいやつ!? あっくんのう◯ち事情も公開…!?【前編】

2015.7/14

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腸内フローラや腸内細菌など、なにかと注目されている「腸」。
おなかの中にあって見えないけれど、“実は腸ってすごいやつ”なんです。気になる腸と茶色いアイツの話を、腸内環境のスペシャリスト福田真嗣先生をお迎えし、振付師ユニットHIDALIの野口さん、笹尾さん、タレントのあっくんと一緒におたずねします!

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おなかの中には100兆個の腸内細菌がいる!

――まずは簡単に自己紹介をお願いします。福田先生はなぜ腸内細菌を研究しようと思ったのですか?

福田 慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田です。
私が腸内細菌に出会ったのは本当に偶然で、もともとは映画『ジュラシック・パーク』の1シーンで、琥珀の中にいる蚊から恐竜のDNAを採取して恐竜を復活させるシーンを見て、「バイオテクノロジーってすごい!」と思い、そういったことをやっている大学の研究室に入ろうと思ったんです。
そうしたら、たまたまその研究室の廊下を挟んで向かい側が微生物の研究室で(笑)。そんな偶然の出会いから、15年くらい腸内細菌を研究しています。
つい最近、腸内デザイン推進企業株式会社メタジェンを設立しました。今日はみなさんに腸と便の関係についてお話ししたいと思います。

あっくん 僕は、そんな先生と対極のところにいます(笑)
あらゆるパーティーをロックする男、パーティーロッカーあっくんです。
10年くらい前から若い人たちを束ねて大規模なイベントをやっていたんですが、気づいたらパーティーロッカーになっていました(笑)
僕は面白いと思ったことを全部やるというか、エンターテインメントの極地を目指しています。

笹尾 普段は「ツト」というダンスネームで活動している笹尾です。
15歳からダンスを始めて17年くらい経ちます。最初はストリートダンスをやっていて、量ちゃんとはダンサー仲間としてチームをやっていたのですが、「HIDALI」が仕事で受けていたブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムの作品にダンサーとして呼んでもらったことがきっかけで、今は「HIDALI」の振付師として活動しています。

野口 笹尾と同じ振付集団「HIDALI」の振付師をやっている野口量です。ストリートダンスを15年くらいやっています。斬新なアイデアや、あまり人がやらないようなものを作っているうちに、次第に作品や作風が海外で評価されてきて。
それで、振り付けを頼まれているうちに、気づいたら振付師になっていました。あっくんと一緒ですね。なりたくてなったというよりは、気づいたらなっていました。

――さて、みなさんは健康について普段から考えていますか?

あっくん 僕は結構、健康志向です!
実は僕、急性アルコール肝障害で2回入院しているんです。
1回目に入院したときは20歳になるちょっと前だったんですが、脱力感が半端じゃなくヤバくて。立ち上がるのもだるいし、トイレに行くのもだるくてつらい。「なんで俺こんなに体だるいんだろう?」って。
これはたぶん、超二日酔いだなって思ってたんです。

笹尾 あははは、超二日酔いって(笑)

あっくん 全然治らないからヤバいと思って病院行ったら、γ(ガンマ)-GTPの数値が異常で、即入院しました。
もう一回は4年位前に、また超二日酔いがきて、病院に行ったらまた異常な数値が出て。その日は仕事だったんですけど、そのまま入院。これは本当にいろんな人に迷惑をかけてしまいました。
長期入院を2回も経験してから、すごく健康に気を遣うようになりました。

笹尾 俺は、健康にはそんなに気を遣ってないです(苦笑)。全然ダメなんで今日は勉強したいと思います!

野口 僕は過敏性腸症候群になってから、腸についてすごく勉強しました。GABA(ギャバ、γ-アミノ酪酸)が不足しているからこういう症状が起こってしまうとか、インターネットで調べたり、本を読んだり、お医者さんに聞いたりして。
今日は食べ物も含めて腸にどう関係あるのか質問したいことがたくさんあります!

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――さっそく、福田先生に腸と健康の関係について教えていただきましょう。

福田 私たちのおなかの中にはおよそ100兆個の腸内細菌がいて、増殖を繰り返し、さまざまな物質を作っています。だいたい種類は数百から千種類ぐらいと言われています。
私たちの体を構成する細胞の数はおよそ37兆個と言われているので、体を構成する細胞の数よりも遥かに多い数の微生物(細菌)がおなかの中にいることになります。

あっくん え!? 体を構成する細胞の数が37兆個で、100兆個が細菌!?

福田 はい。この腸内細菌はいい働きをするものもあれば、体にとって有害な物質をつくる悪い働きをするものもあります。この腸内細菌の群集は「腸内フローラ」または「腸内細菌叢(そう)」と呼ばれています。
研究では、腸内細菌叢のバランスが乱れて腸内環境が悪化すると、いろいろな病気を発症させてしまう可能性があることが分かってきています。

笹尾 どんな病気と関係しているんですか?

福田 いわゆる生活習慣病やアレルギー、大腸がんや大腸炎などです。
近年、日本人に急増しているこれらの病気の多くは、食習慣による腸内環境の乱れなどが要因であると考えられています。
したがって、腸内環境をうまくコントロールしてあげることで、近年増加している病気の多くを予防できるのではないかと思っています。
もちろん、病気には私たちの細胞の遺伝子変異で発症するものもあるのですが、例えば炎症性腸疾患などの病気は、私たちの細胞のちょっとした遺伝子変異と腸内細菌叢のバランスの乱れが合わさることで発症する病気と考えられています。
私たちの細胞の遺伝子を変えることはできないですが、腸内細菌叢は食習慣により改善することができるので、病気になりにくい状態をつくることはおそらく可能になるだろうと思っています。

笹尾 なるほど。すごいですね。

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あなたは、一年間に何回「トイレの大きい方」をしますか?

福田 ところで、みなさんは一年間にトイレの大きい方を何回ぐらい行きますか?

あっくん えっ? 大ですか? 一年間だと……300回くらいかな。

笹尾 俺はたぶん、600回ぐらい行っていると思います。

野口 俺は365回ぐらいだと思います。

福田 排便の回数は人によって違いますが、私の場合もだいたい365回くらいだと思いますので、野口さんやあっくんとほぼ同じですね。
中には、笹尾さんのように600回という人もいれば、1,000回という人もいまず。逆に100回という人もいるんですよ。こうして比較すると、100回はちょっと少ないって思いますよね。
でも、その人にとっては、それが普通の状態なので、自分がもしかするとよくない状態かもしれないということに気づきにくいんです。
普段、排便の回数なんて人と話さないじゃないですか(笑)

笹尾 確かにしないですね(笑)

福田 600回は許容範囲ですが、100回など少ないのはあまりよくないと思います。3日に1回ですから。

笹尾 ずーっと軽い便秘状態ってことですもんね。

福田 人より排便の回数が少ない人は、仮におなかの中で悪いものが作られている場合、それがずっと腸から吸収されて血液を介して全身に回りますので、将来病気になってしまう可能性が高そうなことは容易に想像できますよね。

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失ってからその大切さに気づく……健康は恋愛と一緒!

福田 でも、健康を意識してもらうのはすごく難しくて、一回病気になった人は必ず健康を意識してくれるのですが、病気になってしまってからでは遅い場合がある。
健康は病気になる前からずっと意識してもらいたい。

あっくん たしかに難しいっすよね。
なんか失恋と同じですね。大事にしなきゃいけないって思うけど、失ったときに気づくわけじゃないですか。
やっぱ、こいつがいなきゃダメだって(笑)

笹尾 なるほど。健康と恋愛は一緒(笑)

福田 とはいえ、病気になってしまったらどうにもできないというわけではなく、適切に処置をすればいい状態にできることもあります。
今、私自身が目指しているのが、若い人にも健康を意識してもらい「病気ゼロの社会を作る」ことです。

野口 すばらしいですね!

福田 健康や病気というものをきちんと理解して予防しようと考えたときに、体のことだけじゃなく、おなかの中の微生物のことまできちんと理解して捉えることが本当のアプローチなんじゃないかと考えて研究しています。
病気にならなければ、クオリティ・オブ・ライフ(=人生の質)の高いまま人生をまっとうできますし、社会全体で考えると医療費削減につながってくる。
健康を維持するうえで重要になってくるのが「腸内環境」なんです。

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「う◯ち」は究極の個人情報

野口 以前、大腸内視鏡検査を受けたことがあるんですが、あれ、めっ……ちゃ痛いんですよ!
あれは必要なことなんですか? 便から調べられないんですか?

福田 内視鏡で見ることによって大腸ガンやポリープなどの早期発見につながるので、内視鏡検査もとても大切な検査です。
一方で、予防という観点では便を分析することが重要だと考えています。
仮に内視鏡検査では健康と診断されても、腸内細菌叢がよくない状態だったら、将来大腸ガンになってしまう可能性があるかもしれませんので、腸内環境を改善しましょうという話になるわけです。
便には、おなかの中の100兆個の菌のバランスやおなかの中で腸内細菌叢が何を作っているかという情報が含まれているんです。
すなわち便にはみなさん自身の健康情報が含まれているといっても過言ではないです。

あっくん え、じゃあ、便でガンだとか分かるんですか?

福田 ガンになるリスクを発見できる可能性があり、今まさに研究を進めています。
便は普段何気なくみなさん排泄して捨てているものですが、最先端のテクノロジーを使って分析することで、その人の健康状態や病気のリスクを評価できる、いわば「究極の個人情報」が含まれているわけです。

あっくん すっげぇ!究極の個人情報!(笑)

笹尾 便からどのくらいの腸内細菌が検出できるんですか?

福田 現在のテクノロジーでは、ほとんどの腸内細菌を遺伝子レベルで調べることができます。
ただ、人間の場合おなかの中は簡単には開けないじゃないですか、でも便は一日一回みなさん捨てているわけですよ。
その便から貴重な健康情報を抽出できるので、私たちは便のことを「茶色い宝石」って呼んでいます(笑)

全員 あはははは、茶色い宝石!(笑)

野口 先生が名付けたんですか?

福田 はい(笑)

あっくん 「茶色い宝石」っていいですね。トイレ行くとき、「俺、ちょっと茶色い宝石してくるわー」って(笑)
きれいなものというか、最強の個人データですからね(笑)

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究極の個人情報を持つ便を「茶色い宝石」と命名した福田先生。
次回は「茶色い宝石」の色やニオイについて、笹尾さん、野田さん、あっくんが持つ悩みと、腸にいい食べ物や自分にあったマイヨーグルトの選び方を教えていただきます!

Interview/Text: 宮嵜幸志
Photo: 大根篤徳(人物)

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あっくん

さまざまなイベントやパーティーを盛り上げる、渋谷発のパーティーロッカー。CX系「アウトデラックス」をはじめ、さまざまなメディアに出演。デビュー曲「SHIBUYA PARTY ROCK NIGHT」はiTuneで1位を獲得。

https://akkun.amebaownd.com/

福田真嗣

ふくだ・しんじ/腸内環境研究者。
1977年、茨城県生まれ。明治大学大学院農学研究科を卒業後、独立行政法人理化学研究所研究員として6年間勤務し、2012年6月より慶應義塾大学先端生命科学研究所に特任准教授として赴任。2011年にビフィズス菌による腸管出血性大腸菌O157:H7感染予防の分子機構を世界に先駆けて明らかにし、2013年には腸内細菌が産生する酪酸が制御性T細胞の分化を誘導して大腸炎を抑制することを発見、ともに「Nature」に報告。2013年、文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞。2015年、第1回バイオサイエンスグランプリにてビジネスプラン「便から生み出す健康社会」で最優秀賞を受賞し、株式会社MetaGenを設立(慶應義塾大学と東京工業大学のジョイントベンチャー)

http://qreators.jp/qreator/fukudashinji

HIDALI

ひだり/振付師、「動き」のプロフェッショナル集団。
2013年3月に、野口量、梨本威温らにより振付師ユニット「左」(HIDALI)を発足。ヒト、モノ、オト、コトなどを「動かす(振り付ける)」ことによって引き起こされるリアクションをつくる集団。
現在のメンバーは野口 量、梨本 威温、笹尾 功、叶 実花子、寺杣 彩。

http://qreators.jp/qreator/hidali

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